2007-01-01から1年間の記事一覧

-042-池澤夏樹「静かな大地」

北海道へ行って松前藩のことは少し知っていた。白老の観光 アイヌ村へも行ったことがある。しかし、和人がアイヌ人の 側に立って、しかも戦うのではなく、生活の場で共生していく ことがあったことを、私は知らなかった。 壮大な物語を、平明な文章で語って…

-041-矢作俊彦「あ・じゃ・ぱん」

戦後東日本と西日本に分断され、それに越後の田中角栄が からんで、東西ドイツのように壁が壊され東西日本の統合 される、奇想天外、奇妙奇天烈なSF戦後史。 それにしても、この作家の大阪嫌いが微笑ましい。いや、 もう差別的な偏見、反感であろう、笑え…

-040-河合隼雄「こころの天気図」

こころの天気図作者: 河合隼雄,工藤直子出版社/メーカー: 毎日新聞社発売日: 1990/08/10メディア: ?この商品を含むブログ (1件) を見るこの大家のエッセイはいくつか読んだが、いつも もひとつ食い足りないと思うのは、この人のメインの ものをひとつ読まな…

-039-矢作俊彦「複雑な彼女と単純な場所」

複雑な彼女と単純な場所 (新潮文庫)作者: 矢作俊彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1990/12メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見るハードボイルド作家のエッセイ集。いま、彼の 代表作上下2巻を長い間読みあぐねながら、…

スイミング

今週は2回も泳ぎに行った。ずっとさぼっていたので腰痛になったか、 腰痛になったので行かなかったか忘れてしまったほど久しぶり。 急に泳いだので、余計に背中ばりばりになってしまった。

-038-椎名誠「波のむこうのかくれ島」

気持ちがへたれた時に読むべき本、青い空と広い海、垂見健吾の写真も 気持ちいいなあ。 椎名誠はほんとうに体調が悪いのか、これを読むと疑問に思えるほど 楽しそうな旅だ。(105)

-037-猪瀬直樹「小論文の書き方」

タイトルと中身はまったく違う。 彼のコラムというか時事評論に関する情報の収集と整理、 そして論理の組み立て方を実例で紹介する。 疑う、背景を探る等日頃心がけているつもりでも流されて しまう現実に対して、彼の論理は好き嫌いは別にして、 徹底してい…

(27)口縄坂:エッチング、ソフトグランド

先週末に行った版画教室で刷ったもの。 エッチングで刷ったものに、ソフトグランドをかけて、 刷毛と鉛筆で濃淡をつけて腐食させたのだが、 腐食が足りず効果がでていない。 口縄坂は天王寺七坂のひとつで、かつて大阪から 海に日が沈むのを眺めることができ…

-036-高村薫「半眼訥訥」

高村薫のはじめてのエッセイ集。 真面目な剛速球エッセイ。大阪へのこだわりは興味深いが、 変化球はないのか。(105)

-035-松本修「全国アホバカ分布考」

私は一度も見たことがないのだが、高視聴率番組の 探偵ナイトスクープのなかで、大阪のアホと東京の バカの境はどこかというあほらしい話題から、 はるか歴史をさかのぼり雄大な学問の世界へ入り込 んでいく過程は心踊るものがあった。途中から むつかしくな…

-034-津原泰水「ブラバン」

私もブラバン少年だった。指導教官もいない、 コンクールにも出ない、好きな曲を探してきて 演奏するだけのクラブだったが、土曜の午後に 自主コンサートを開催したり、文化祭で演奏したり、 それは楽しい思い出だ。 これは私よりすこし後の80年代のブラバ…

洋協ホール「50周年展」

洋画商協同組合が設立50周年を迎え、日本近代から現代の 洋画家の作品の展覧会が銀座のホールで開かれていることを 知ったので見に行く。 無料でこれだけの作品群を観られて満足した。

松下電工汐留ミュージアム「ルオーとグロテスク」

ルオーは私達の心を抉り取るような表現と、そこに聖なる 哀しみを滲ませてくるという画風で、目を離させないのだが、 それらの表現を検証してみようという展覧会。 かなりむつかしかった。

ブリヂストン美術館「じっと見る展」

改修したブリヂストン美術館へようやく出かけた。 ここは東京駅から近く、背広を着たビジネスマンがふらり 見に来られる美術館で、広くなったというので楽しみにしていた。 レンブラントから抽象まで150点の展示。 堪能した。 中でも、私の好きなブーダン…

-033-重松清「愛妻日記」

まじめな重松清のR18小説。 ちょっと読みたい官能とは違った。(540)

-032-五木寛之「みみずくの日々好日」

軽いエッセイに自分の知らない世界がいっぱい詰まっていて 教養がなければ理解できないはずなのに、ねっころがって 読むエッセイ集。人生ものエッセイは読む気にならないが、 こういうものはデビュー当時からずっと好きです。(105)

-031-真保裕一「発火点」

いままで読んだ作品とは少し毛色が違う。自分探しが 暗く圧し掛かってくる。この作家もそろそろ主なものは 読みつくしてしまったかな。(105)

-030-フィッツジェラルド「グレート・ギャツビー」

村上春樹いちおしの作品の新訳。 かつて映画館でレッドフォードの「華麗なるギャツビー」を 見ており、そのときもよくわからなかったが、今回はじめて 本を読むことになったが、やはりよくわからなかったと 正直に述べておこう。 話は反れるが、息子が「カラ…

腰痛

で医者へ行った。背筋力をつけるしかないとのこと。

-029-有栖川有栖「有栖の乱読」

変わった名前の推理作家がいることは知っていたが、 大阪出身というのでちょっと興味が湧いて、その自伝的な 本を読んでみる。うーん、やはり小説を読まなければ。 (105)

-028-下保進「第一生命教育部長からの手紙」

エリートサラリーマンから永六輔への近況報告の書簡集。 10年以上前に読んで以来、何度も機会があれば読み返し、 新たな刺激を受けている。茨木のり子ではないが、心の 渇きに水をやりながら育てていく。仕事もきちんとする 会社人間でありながら、音楽や…

-027-下保進「第一生命広報部長からの手紙」

(26)御堂筋:エッチング、ドライポイント

週末に版画教室へ行ってきました。 先回、大阪の風景、中之島を作ったのだが、 今回も大阪シリーズ、御堂筋です。大阪八景で いくのはいいね、題材を考えなくてすむ。 版の大きさは久しぶりに大きくて180×140。 細かく書き込んでみる。もっと書き込んだほうが…

-026-織田作之助「夫婦善哉」

びっくりした。大阪へ引っ越してきて、織田作を読まねばと 思っていたが、読んでみて本当に吃驚。 面白い、スピード感、地名、店名がいたるところに出てくる。 物の値段がどんどん出てくる。いやあ、でも全国区になるのかな。 最後に法善寺横丁の夫婦善哉で…

-025-村上春樹「約束された場所で」

村上春樹の数少ない未読の作品。「アンダーグラウンド」と ともに読もうという意志が働かなかったが、まず先に、 オウム信者の方の話を読む。 ごく普通の人でありながら、世界が小さい、小さな世界へ 入り込んでしまう人たち、入り込まなければ生きていけな…

-024-山本文緒「プラナリア」

最近の女性作家の代表作を順に読んでいくシリーズ、第3作。 世の中を生き難く生きている人たちの心情をテンポある 文章で読ませる。これは一番の共感。とりわけ最後の短編 「あいあるあした」が泣かせる。(105)

-023-佐野眞一「カリスマ」(上)(下)

中内前社長の人生とダイエーの成功と衰退を、圧倒的な 取材量で、上下2冊の大作を一気に読ませる。 こういう天才というか怪物のような人は確かにいるわけ で、それを普通の人のものさしでは測れないのだろう。 ところどころ筆が走って、思い込みか、どの根…

-022-沢木耕太郎「「愛」という言葉を口にできなかった二人のために」

暮しの手帖に連載していた映画時評の単行本化2作目。 しかし、1作目が暮しの手帖社から出ていたのに、今回は幻冬舎からだ。 前にも書いたように、彼と暮しの手帖との信頼関係がなくなったことが、 そうさせたのだろうか。1作目がコンパクトなおしゃれな造…

(25)中之島東詰:エッチング

週末に版画教室へ行った。3色刷りは、結局納得が いかず、もうなんだかわからなくなったので今回は 安直に風景だ。天満橋から中之島東詰を望んだ風景。 これは大阪を代表する風景で、大阪人なら知らぬ人は いない景色だ。 しかし、まったく沢野ひとしだなあ…

ヨーロッパ企画「冬のユリゲラー」

2回続けてつまらなかったので、もう見ないと思っていた ヨーロッパ企画であるが、過去の作品を再演するというので、 もういちど観に行くことにする。 場所はインディペンデントシアター2nd 最初のうちはヨーロッパのメンバーでなく客演中心なので、 普通の…