2005-01-01から1年間の記事一覧

夏目漱石「文鳥・夢十夜」

漱石読破プロジェクト7冊目。 新潮文庫の活字が大きく改版されたのがなかなか 出てこないので、短編集を読む。 なかなか不思議な夢十夜、文鳥ほか各作品に 漂う無気味さ。さて、やはり正直によくわからんと 云っておこう。

チャン・イーモウ「あの子を探して」

チャンイーモウのベネチア金獅子賞受賞作品。 中国の辺境の貧しさの中、子供が町へ出稼ぎに行くのを たった13才の先生が探しにいく話なのだが、 子供が町へ行くのがいやなのか、病気の母親が どう思っているのかわからないので、少女の先生が 探しに行く動…

谷川俊太郎「ひとり暮らし」

谷川俊太郎って、そのイメージと異なり、3回結婚して、 3回離婚して、いまはひとり暮らし。 そのエッセイ集から、 「歓びは快楽や楽しみとも違って、いのちの源から湧いてくるもの」 「アートが目指すはずの美というものはどこに行ってしまったのだろう」

夏目漱石「草枕」

漱石読破プロジェクト6冊目 日本語の美しさ、江戸から近代への日本語を書き留めるための 作品か、無教養の私にはちとつらい。 ストーリーがほとんどない反文学、いまでも前衛。

和田誠のグラフィックデザイン展

堂島のdddギャラリーにて「和田誠のグラフィックデザイン展」 を観る。残念ながらここでも原画や色指定の書き込みがしてある ようなものは展示されてなかった。ポスターが多くあり、これは 版も大きいので並べてあると見ごたえがある。 多彩だけど一番は…

塩野七生・五木寛之「おとな二人の午後」

贔屓をつくる贅沢は、そのとおりと膝を打つ。 塩野七生がこんなにミーハーなのには驚いた。 さて、いつローマ人の物語を読むチャンスが やってくるだろうか。それも楽しみに。

出る杭は

「出る杭は打たれるが、出すぎる杭は打たれない」福島瑞穂 「出る杭は打たれるが、出ない杭は腐る」五木寛之

小須田康人

贔屓の小須田康人がインタビューを受ける番組を見る。 彼があまりに生真面目で礼儀正しいのに驚く。 東京の中高一貫超進学校出身というのにも。 小劇場くずれみたいな感じにもならず、鴻上様様にも ならず、凛とした風格がある。 もっとメジャーになっていい…

開光市展

先日、高島屋大阪店美術画廊で「開光市展」を観た。 いつだったかの日動画廊以来で久しぶりにみて、さらなる 引き込まれるような画風に圧倒される。 見るものを拒んでいるようででも見入ってしまう。 見ずに入られないなにか。小品ですらそうであり、 絵が飾…

本番(第九その3)

いやあ、よかった、よかった、一万人の第九。 私は一回フライング、2回出遅れ、でも気持ちよく歌いました。 森山良子もよかった。

前日リハ(第九その2)

前日リハといってもリハビリではない。 第九の公演の前日リハーサルを大阪城ホールにて。 ゲストの森山良子が普段着で普段眼鏡をかけて、 音合わせするのを見ることができる。気に入らなくて 同じ曲を再度歌ったところはさすがプロ。

重松清「流星ワゴン」

本の雑誌べストワンの傑作と評判の 流星ワゴンをようやく読む。 うーん。重松清は泣かせるストーリーテラーと 知っていて浅田次郎とともに近寄らないように していたけど、これはあまり気持ちが入って いかなかったな。親子の関係、自分のことで いえば私と…

ファーブル美術館展

大阪市立美術館の南仏モンペリエ ファーブル美術館所蔵 魅惑の17−19世紀フランス絵画展を観る。 クールベの「こんにちはクールベさん」をはじめ、印象派の 前の時代の絵画、ドラクロワ、クールベ、バビルゾン派・・・ まだよくわからないというのが正直…

半藤一利「漱石先生ぞな、もし」

漱石読破プロジェクトの小休止で、漱石探偵の半藤一利の 「漱石先生ぞな、もし」を読む。 自由自在の探偵ぶりが面白すぎるぞ。 学校でも「こころ」を読んで、感想文を書かせるんじゃなくて、 こんなアプローチをすれば、もっと関心を持つと思うのに。 私もよ…

島田章三の小宇宙展

名古屋のハセガワアートへ久しぶりに出かける。 明日からの「島田章三の小宇宙展」の準備中で、頼んで 少し観せてもらう。長谷川社長によると、島田章三は 学長職の激務にかかわらず、だからこそ絵を描くことで 元気を作りだしているとのこと。なんと新作ば…

田辺聖子「ほっこりぽくぽく上方さんぽ」

ほっこりぽくぽく上方さんぽと題名そのものの散歩日記。 田辺聖子は昔、カモカのおっちゃんのシリーズを読み漁った 時期もあったけど、久しぶりに手に取ると、深い教養と 寛容さ、これはただものではない懐の深さ。 古典への素養がなくて、たぶん面白さ半分…

佐渡練(第九その1)

佐渡裕が私たちに直接レッスンをする。 いつも思うことだが、音楽を表現するときに 言葉で語り、いろんな比喩、直喩を駆使して 語り指導する。 その表現も素晴らしい、そして楽しい。 12月4日の第九の本番に向けて。

シドニー・ポラック「インタープリター」

シドニー・ポラック監督、ニコール・キッドマン、ショーン・ペン主演の 「インタープリター」を観る。 国連は見学に行ったことがあるが、ジャパニーズツアーではなく、 イングリッシュツアーだったので説明がよくわからず、なんだか予算が 減っていて大変だ…

二科黄金の時代展

高島屋グランドホールにて、大正、昭和の二科展の画家たちの 作品により近代洋画の歩みをたどる「二科黄金の時代展」を観る。 名前しか聞いたことがない画家や、まったく知らなかった画家の 作品は、勉強になったというか、さわり集を観たというか。 宮本三…

雑誌コヨーテ

いつも気になっていたが、買ったことのなかった、雑誌「コヨーテ」を はじめて買った。特集「深夜特急ノート」とあり沢木耕太郎の30年を 解く試みでおもわず購入。 沢木はどんなときも、見えないところでも、スタイルにこだわり、それが 作品にも表れ、好…

アール・デコ展

サントリーミュージアム天保山へ「アール・デコ展」を観に行く。 いつも思うのだが、この安藤忠雄建築は、部屋から次の部屋へ移って いくと、突然全面ガラスの外の海が見える部屋があり、薄暗い作品の 展示してある部屋から、眩いほどの外光の部屋というコン…

永島慎二さんのこと4

永島慎二さんの追悼号として、ビッグコミックワンを入手。 本格的なものが出るには時間がかかるのだろうか、まとまった ものを読みたいものだ。 夢ではあるが、「漫画のおべんとう箱2」はないのかな。 漫画でおなじみだった弟子の野間さんのHPで、お墓参…

夏目漱石「三四郎」

漱石読破プロジェクト5冊目 昔読んで、なんともたるかった印象があるが、今回も同様。 広田先生や野々宮さんは魅力的であるのだが、当時の帝大生、 超エリートの三四郎といえば・・・。うむ内省的な三四郎を 創作するところが漱石なのか。 「三四郎」と「そ…

有元利夫展

明石市立文化博物館の「有元利夫展−光と色・思い出を運ぶ人−」に行ってきた。 有元の作品を一堂に介して観るのははじめてのことで、うれしい限り。 油絵、素描、版画、立体と盛り沢山で、とくに油か本当の手法はよくわからないが、 画集の印刷とはかなり違う…

映画版「オペラ座の怪人」

DVDで映画版を観る。舞台の迫力、舞台という制約の中での 演出の見事さが、より印象づけた感がある。 映画を観て、舞台のよさを再認識。 四季もよかったけど、ブロードウェイで観ておくべきだったなあ。

沢木耕太郎「凍」

今度の新作は山岳もので、沢木耕太郎もジャンルを広げていくのだ と思いながら「凍」を読む。寝床で4晩かけてゆっくりと読んだが、 3、4晩は夢に見てしまった。それほど壮絶な登攀、なぜゆえに 指をなくしても挑むのか、その答えは簡単な、簡単すぎること…

旅するエキゾチシズム展

大阪市立近代美術館心斎橋展示室にて 「旅する”エキゾチシズム”−日本の画家たちが見た異国−」展を観る。 心斎橋筋の喧騒からちょっと立ち寄ると静かな美術館という シチュエーションは良い。ただし展示にもっと工夫が欲しい、もったいない。

小熊英二「民主と愛国」

1000ページ近い大作。6300円なので手が出ず、図書館で ようやく借りる。しかしそのためか挫折、やはり走り読みに なってしまい、かつ、頭悪く理解できない部分も多い。 戦後日本のナショナリズムはどう育っていったかを、戦後の 知識人の思想と行動から解き…

吉田拓郎ツアー2005

17日は、フェスティバルホールで吉田拓郎ライブ。 来年は還暦、59歳の拓郎は元気でした。 75年に作った「人生を語らず」という歌は、30年を経て、 越えていけそこを、越えていけそれを、今はまだ人生を語らずと、 歌う拓郎と、スタンディングで一緒…

青春舞台2005

高校演劇全国大会優秀校4校の演劇をテレビで放映されたので、 録画して1日に1本づつ4日間かけて観た。 いやはや面白かった。 「報道ステーション123」「としどん」「HR」「修学旅行」 高校生の切実な問題は、コミュニケーションなのだということが …