-042-池澤夏樹「静かな大地」

静かな大地 (朝日文庫 い 38-5)
北海道へ行って松前藩のことは少し知っていた。白老の観光
アイヌ村へも行ったことがある。しかし、和人がアイヌ人の
側に立って、しかも戦うのではなく、生活の場で共生していく
ことがあったことを、私は知らなかった。
壮大な物語を、平明な文章で語っていく手法は、この作家
ならではの共感、視点がいつも新鮮である。
どんな展開になるのかわくわくしながら、しかし結局は悲劇
なのはわかっていて、複雑な思いで読み進めた。(1050)