2007-07-27 -042-池澤夏樹「静かな大地」 本 北海道へ行って松前藩のことは少し知っていた。白老の観光 アイヌ村へも行ったことがある。しかし、和人がアイヌ人の 側に立って、しかも戦うのではなく、生活の場で共生していく ことがあったことを、私は知らなかった。 壮大な物語を、平明な文章で語っていく手法は、この作家 ならではの共感、視点がいつも新鮮である。 どんな展開になるのかわくわくしながら、しかし結局は悲劇 なのはわかっていて、複雑な思いで読み進めた。(1050)