「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」

2022年アメリカ映画。

去年のアカデミー賞で作品賞を含む7冠

となり話題になっていたので見た、エブ

エブというのだそうだ。

パラレルワールドかと思ったら今はマル

チバースというようで、どちらにしても

よくわからないのだが、こういう世界観

があり、それをわからないと簡単に言っ

てしまうのはよくないのだろう。

映画表現は自由であり、めくるめく映像

と演出はこの時点で最先端である怪作で

あろう。これを認めたハリウッド映画界

はクールだとしか言えない。

わかるわからないではない、この世界に

どっぷりはまってみる映画なのだろう。

主演ミシェル・ヨーはいろんな映画で見

たことがあったようだ、この映画の勇気

を称えたい。三つ目になると力を得るの

だなあ。

 

辻原登「だれのものでもない悲しみ」

勢いで続けて辻原登、長編「だれのもの

でもない悲しみ」である。

昔、映画好きには憧れだった池袋の文芸

座がひとつの舞台になる。そこでフェリ

ーニの「カリビアの夜」を男と女が見る

ところから赤い糸が絡み合ってくる。と

いって単純な恋愛小説ではもちろんない。

ジェットコースターのような展開でどこ

へ連れていってくれるのかとひやひやし

ながら、さてラストは心中なのか、生き

る希望なのか。

ちょっと無理はあるけど、辻原登面白く

ないわけはない。

 

自分の覚えとして長中編リスト(既読は〇)

あと数冊か。

〇村の名前

森林書

〇だれのものでもない悲しみ

黒髪

〇翔べ麒麟

〇発熱

ジャスミン

〇花はさくら木

夢からの手紙

円朝芝居噺 夫婦幽霊

許されざる者

〇抱擁

〇闇の奥

〇韃靼の馬

〇父、断章

〇冬の旅

〇寂しい丘で狩りをする

〇Yの木

〇籠の鸚鵡

〇不意撃ち

〇卍どもえ

〇隠し女小春

 

 

マーティン・スコセッシ「エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事」

1993年アメリカ映画。スコセッシ監

督作品、知らなかった。

スコセッシはやはりタクシードライバー

の衝撃からで、当時はスコルシーズと記

載されていたと思うが、それでその前に

映画館で観た「アリスの恋」(エレン・

バースティンがアカデミー賞をとって観

に行ったと思う、いい映画だった)が同

じ監督作品だと知って驚いた記憶あり。

そのスコセッシがこんな昔の上流階級の

正統的な恋愛、不倫の映画を撮っていた

とはまるで知らなかった。しかもダニエ

ル・デイ=ルイスである。伝統的で保守

的なところから抜け出そうとする進歩派、

自由主義のデイ=ルイスが不倫に向かう

ところが説得力があり見事な演出。

いやwikiを見るとやはり小説の原作があ

った、やっぱりなあ文学は深いなあ。

それでも重厚で堪能した。妻となる ウィ

ノナ・ライダーが結婚後は保守的になる

ところもうまいなあ。

 

 

 

独学ピアノ12カ月

あっという間の1年だった。

帰郷して躊躇しているうちにきっかけを

失っていたが、よしと動いてはや12カ

月。始めてよかった。

あきらめもせずほぼ毎日すこしづつ練習

をしてきた。バイエルを最後の方をほお

りだして、ブルグミュラーは頭の方の数

曲を悪戦苦闘中。速く弾けない、テンポ

が揃わない、打開策がわからない、ただ

練習すればいいとも思えない。

そこで、ハノンの楽譜を買ってゆっくり

練習をはじめた。指使いがいくらか慣れ

るかもしれぬ。ちょっと息詰まっている

感じ。

ブルグミュラーの曲もゆっくり適当に弾

いてるときは楽しいんだけど、さて。

無理のない指のトレーニングのために大人からはじめるハノンピアノ教本

 

マイケル・ダグラス「ワンダー・ボーイズ」

2000年アメリカ映画。

とんでもなく無茶苦茶な物語、それをマ

イケル・ダグラスが演ずる。その恋人(

不倫)がフランシス・マクドーマンド

ったので、コーエン兄弟の作品かと思っ

たらそうでもない。

それでもマイケル・ダグラスの老教授ぶ

りもマクドーマンド学長も天才学生も個

性が際立っていて、無茶苦茶さも破綻し

きらずよかったよかった。