2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

矢作俊彦「ららら科学の子」

中国に密航した主人公が30年ぶりに日本に帰ってきた。 そこで見た日本の現実は。中国で見た30年間の現実は。 昔、毛沢東語録を持っていた同級生や、理想を語った 先輩はどこにいるのか。 重く、しかし面白い。

三島由紀夫「春の雪」

学生時代に潮騒や金閣寺や美しい星や何作か読んだきりであったが、 30年振りにとうとう遺作4部作を読もうと思う。あのような死に方 で、その後で出た作品であったので、逆に読みたいと思わなかったのだが。 さて、もっと観念的で思想的なものと考えていた…

神戸市立博物館「オルセー美術館展」

私の好きな師弟関係のブーダンとモネが隣同士に並んでいて、 うれしかった。ブーダンは画集がほしいなあ。モネの「アル ジャントゥイユの船着場」は作為というものがまったく感じ られない本当に気持ちのよい絵で、観ているだけでうれしく なってくる。 ずっ…

第九レッスン4回目

先回休んだので、10月19日は1ヶ月ぶりのレッスン4回目。 有元先生はオペラ出演準備で、代理に富岡先生。去年のレッスンで 代理で一度レッスンを受けたことがあって、こんなふうに歌うのだ という言葉が豊富で、なんだかすこしうまく歌えるような気にな…

宮部みゆき「誰か」

こんなに宮部みゆきにはまってはいけないと思いながら・・・ 表紙はさわやかであったが、これは珍しく後味が悪かった。 ところで、自転車が加害者になる初めての小説ではないか。

宮部みゆき「魔術はささやく」

3連休に寝転がって読んだ本。人が死んで謎解きがあってと いう話だけで終わらないのが宮部みゆきのよいところだ。 どこかで人を信じているところが。

大島一洋「芸術とスキャンダルの間」

講談社現代新書の一冊。 戦後の美術界の贋作等の事件の紹介と考察。 面白いだけにこれは新書ではなく、ちゃんとした本にしてほしかった。 軽すぎる。作者はもっと書き込みたかったのではないか。 ところで、講談社現代新書はいままで好きな装丁であったが、 …

(15)刷けのある自画像:ソフトグランドエッチング

もう一枚作ってみた。自画像のつもり。 ソフトグランドエッチングは、 ①銅版を少し暖め、ソフトグランドをのせローラーで伸ばす。 ②銅版が冷えたら、もう絵を描くことができる。 ③何を使ってもよい、今回は鉛筆と筆。 ④腐食した後、ソフトグランドを拭き取り…

第九レッスン3回目

今週は忙しくてレッスンに行かれず、欠席。 今日は好きだけどむつかしいフーガを練習する ことになっていたので、何とか行きたかったが、残念。

(14)刷けのある花:ソフトグランドエッチング

ソフトグランドエッチングをやってみる。 版画家山本容子の手法として有名であり、手軽に 作成できる。繊細な線は不得手で、温かみのある 線が引ける。今回は筆で刷毛のように描いてみた。

永島慎二「永島慎二の世界」

永島慎二のアンソロジー集。全編持っていたのだが、 改めて読み返すと、私が好きだったのは、作品群ではなく この人のセンスだったのではないかと思えてきた。

高樹のぶ子「サザン・スコール」

サザンスコール (新潮文庫)作者: 高樹のぶ子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1994/10メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る沖縄を舞台にした話だからと読んだが、それがどうした。

池澤夏樹「花を運ぶ妹」

いよいよ池澤夏樹に嵌まってきた。 彼の現段階でもっとも評価されている作品を読む。 深い話だ。ひとつひとつのエピソードが、伏線になったり、 重要な対比になったりで、一回読み通しただけではわからない ように思える。映画ミッドナイト・エキスプレスに…