鑑賞

ウィリアム・ワイラー「我等の生涯の最良の年」

1946年、戦争が終わっての翌年の作品。 驚く、まだ一年も経ってないのに復員兵の 物語、しかも手を損傷した男、心的外傷を 負った男、なんとなく帰還後世の中に馴染 めない男が交差して、いいところもわるい ところも見せて懐の広さ深さには恐れ入る。 戦勝…

愛知県美術館常設展

ここへ来ればモジリアーニの「おさげ髪の 少女」に会いに行く。ところが今回は展示 なし、替わりにクリムトの「人生は戦いな り(黄金の騎士)」が展示、久しぶりなの で見惚れる。騎士の行方にへびが対峙する、 敵、困難、誘惑か。松本竣介の「ニコライ 堂…

スパイク・リー「ブラック・クランズマン」

闘士スパイク・リー作品なのでちょっと構 えて見た。なかなかサスペンスに満ちひや ひやしながら、でも笑いもあってエンタメ にもなっているきわめて怖い映画だった。 あとでwikiを見ると、主演 ジョン・デヴィ ッド・ワシントンはデンゼル・ワシントン の長…

「パブリック 図書館の奇跡」

ホームレスが公立図書館(パブリック)に 立てこもる事件を扱った映画。予定調和的 にホームレスが勝利するとか知事候補や市 民の差し入れで形勢逆転するとかテレビ中 継が後押しするとか綺麗事はなくシビアに 終わるところは好感。でも、いまひとつ展 開が…

クリント・イーストウッド「リチャード・ジュエル」

イーストウッドはこれでもかといろんな題材 を探してきて新作をつくる。これは冤罪の話、 警察はメンツがあるし、メディアはただ話題 を作り叩く。最後の無実とわかるのだがそれ までのバッシングは元へは戻れない、警察と メディアの行いは責められない。な…

キャサリン・ゼタ=ジョーンズ「エントラップメント」

まあ、ご都合主義の映画だった、なぜハリ ウッドはもっと練り込んだ脚本を使わない のか、あいえないことばかり。 けれど、ゼタ=ジョーンズの運動能力、体 操というかバレイというか見事な身体の動 きに見惚れた。まあ、それでよかったと断 言する。ショー…

ベートーベンピアノ協奏曲第3番

村上春樹と小澤征爾の対談本の中で、ベー トーベンのピアノ協奏曲第3番を聴きなが ら詳しく対話する場面があって感心したこ とがある。家にはミケランジェリの3番が あったが、今回本でも話題のグレン・グー ルドのCDを購入したので聴いてみた。 CD3枚組で1…

周防正行「シコふんじゃった。」

キネ旬1位だとは思わなかった、ようやく 見た。周防監督はテーマを決めて映画を作 るところが伊丹十三と似ていると思う。 一般作品1作目が坊主、2作目これが相撲と 意外なものをもってくる。 それで1位か、うーん、そうなのか。 シコふんじゃった。 [DVD] 本…

デンゼル・ワシントン「アンストッパブル」

ノンストップムービーなのだがなかなかよ くできた映画だった、途中でやめられない そのとおり。徐々に主人公たちの抱えてい るものも明らかになり話に厚みもでてくる。 しかし、しかしなんだな、ラストが簡単す ぎないか、車が並走して運転席に人を送り 込…

S・スピルバーグ「宇宙戦争」

公開当時評判はよくなかった、宇宙戦争と いうタイトルはお門違いだし、まあつっこ みどころ満載なのだが、いかにもスピルバ ーグらしい映画だった。 ティム・ロビンスが存在感があったが、宇 宙生物は陳腐な檻とか存在感がなかった。 ラストで、ボストンの…

「おかえり、はやぶさ」

テレビで放映されたので録画して見た。 当時「はやぶさ/HAYABUSA」を見たのだが (西田敏行のです)、「はやぶさ 遥かなる 帰還」(渡辺謙のです)は見た記憶はなかっ たが、2作とも見ていたことが判明。だから これで3本とも見たことになる。 結果、3本のう…

サム・ペキンパー「ワイルドバンチ」

サム・ペキンパーというのでバイオレンス アクション映画かと敬遠したが、ウィリア ム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイ ンと名優が出ていて評価も高いようで見た。 マカロニウエスタンではない、アウトロー の滅びの美学とでもいうのか、なかなか大 柄…

ヒッチコック「裏窓」再見

こちらも何回目の裏窓だろう。 何度見ても裏窓の最初のグレース・ケリー 登場の超アップかつカメラ目線(観客目線) には驚く。たぶん映画館では見たことがな いように思うが、知らずに映画館で見たら のけぞったのではないか。 看護婦のセルマ・リッターは…

グレゴリー・ペック「拳銃王」

先日、「ローマの休日」をテレビで放映し ていたので何度目かにかかわらず見た。グ レゴリー・ペックは華があって全米ベスト ワン俳優だとあらためて思う。「アラバマ 物語」「ローマの休日」「大いなる西部」、 そうか大いなる西部は都会から来た男だっ た…

レア・セドゥ「アデル、ブルーは熱い色」

こんどはもう一方の愛のかたち。 カンヌのパルムドール作品、しかも主演の レア・セドゥーと二十歳のアデル・エグザ ルコブロスも受賞。特にアデルのつくりも のでないような顔の表情がいい、カメラに 映ってないような自然な顔にどぎまぎする。 ストーリー…

アン・リー「ブロークバック・マウンテン」

ひとつのラブストーリーである、理屈でそ う理解する。1960年代の中西部なのだから いまとは比にならない厳しさ、かつ宗教感 も絡んでくる。アン・ハサウェイがでてき てびっくりした。 アン・リーは「いつか晴れた日に」「グリ ーン・デスティニー」「ライ…

山本薩夫「白い巨塔」

いまになってこれをテレビで見られるとは 思わなかった。学生の時、この文庫(何巻 だったか)を買って読みだしたら止まらず 徹夜して翌日の講義もさぼりひたすら読み 終えたことを思い出す。 その映画化、田宮二郎は圧巻、でも取り巻 きの東野英二郎、小沢…

アラン・ドロン「テキサス」

アラン・ドロンがハリウッド進出した時の 作品らしい。アラン・ドロンは二枚目色男 のイメージだが、フランスでは1960「若者 のすべて」1963「山猫」等しっかりした主 張のある映画に出ている。 なのにこれはなんだ、馬鹿々々しかったか な、楽しかったかな…

ウディ・アレン「カフェ・ソサエティ」

ウディ・アレンの見残したのを機会を捉え て見ている。これは2016年、わりと新しい のに見ていなかった。ジェシー・アイゼン バーグがウディ・アレンのようなセリフ回 し機関銃のよう、気の利いたセリフでおし ゃれなロマンチック・コメディ。アレンが でて…

「カセットテープ・ダイアリーズ」

2019年のイギリス映画。パキスタンの移民 の高校生の成長物語。1980年代のサッチャ ーの時代の移民が排斥されていた時代に、 B・スプリングストーンの歌を聴くことに よってつらさを乗り越えいく、映画の中で も歌が流れ、歌詞が画面の中で踊りだし、 しか…

アン・ハサウェイ「インターステラー」

アン・ハサウェイとマット・デイモンとい うから宇宙ものと思い見た。うーん、まる でわかりませんでした。webで説明を読ん でもよくわからない、地球を救おうという 時に娘との愛情なのかというのも・・・。 どうも読んだ「三体」と似ている、「時空 の歪み…

映画「お名前はアドルフ?」

2018年ドイツ映画。タイトルから話が予想 できるのだが、それだけでは終わらないと ことがよくできている。というか夫婦と弟 夫婦と親友の5人、インテリ男をはじめ論 争好き、そしてタイトルのとおり生まれて くる息子にこの名前を付けるという発言か ら大論…

ベン・キングスレー「しあわせへのまわり道」

アメリカ映画なんだけど、主人公がインド 系アメリカ人(いつもターバンを巻いてい る)、ベン・キングスレーが適役。書評家 の女性が彼から運転を習うのだが、なかな かよくできている、キングスレーがインド で少数の宗教を信仰しており、誠実な生活 を実…

海外ドラマ「アンという名の少女」

最近、少女小説、少女映画づいているのか。 NHKで新しい赤毛のアンのドラマをやるの を見つけたので録画して見た。8話完結の ようでその1、2話。前に見たのとストー リーはまるで同じ、アンは変わらず想像の 翼に乗って。 ところで現代の少女たちの一定割…

「ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語」再見

先日、長くつ下のピッピの作者の伝記映画 「リンドグレーン」を見たので、去年、ひ とりで映画館へ観に行った「ストーリー・ オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語」 がよかったという話を家人にしたら、見た いというのでDVDで見た、再見。 古い話なのだが…

映画「リンドグレーン」

2018年スウェーデン・デンマーク映画。 「長くつ下のピッピ」のアストリッド・リ ンドグレーンの若き日々を描いた伝記ドラ マ。「長くつ下のピッピ」を読んでいない、 女の子向きと思っていたし、こどもも女の 子がいなかったので、だからリンドグレー ンも…

「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」

2020年フィンランド映画。(オンネリとア ンネリと同じだ) 年老いた美術商がイリヤ・レービンという ロシアの画家の作品を見つけだし翻弄され る物語。渋くてディテールがしっかりして いる、娘との確執、孫との交流も交ぜて、 フィンランドの静かな時間が…

ヒッチコック「私は告白する」

話は単純なのだが、これは止められない、 おもしろかった。教会の裏方の人から殺人 の告解を聞くが、神父は信仰の義務から他 人に告白できないことから、犯人扱いされ た神父が苦悩する物語。 なかなかよくできている、恋人のアン・バ クスターがきりっとし…

「そして、私たちは愛に帰る」

2007年、ドイツ・トルコ・イタリア映画。 トルコとドイツの3組の親子の物語。政治、 文化に絡みとられ、でも「許す」ことを決 める、という映画だ。深くて十分には消化 できていないけど、映画ってほんとうにか けがえのないひとつひとつの人生を描きだ す。…

シャーリー・マクレーン「あの日の指輪を待つきみへ」

リチャード・アッテンボロー監督作品。 ラブロマンスというより、政治、戦争に巻 き込まれた人生というべき。北アイルラン ド紛争、IRAが絡んで物語はすこし複雑、 ベルファストに住む青年のこれからの人生 を考える。 クリストファー・プラマーがいいのだが…