鑑賞

ロブ・ライナー「ア・フュー・グッドメン」

1992年アメリカ映画。 ジャック・ニコルソンが楽しそうに悪役 を演じている、トム・クルーズや デミ・ ムーアが手玉に取られている感じ。 人物形成がすこし単純すぎるか、 ケヴィ ン・ベーコンはやや複雑な役どころでい いいんだけど。 ア・フュ-・グッ…

荻上直子「トイレット」再見

2010年日本映画。 全編をカナダで撮った、もたいまさこ以 外はすべてカナダ人か。母を亡くした三 兄弟(兄弟妹)と言葉がわからない祖母 との家族の交流、再生。もたいまさこは まったくしゃべらない、二言だけか、見 事というか、楽というか。 タイトル…

ヨーロッパ企画「リバー、流れないでよ」

2023年、ヨロキ「ドロステのはてで 僕ら」に続く第2弾映画。 「恋はデジャ・ブ」のバリエーションだ と思うが、解決のラストがタイムマシン とはこれはない、それに雪はどうなった。 とは言いながらヨロキのあの雰囲気をぐ だぐだと楽しむ、楽しみまし…

カトリーヌ・ドヌーヴ「シェルブールの雨傘」再見

1964年のフランス・西ドイツ映画。 ミシェル・ルグラン音楽の全編踊らない ミュージカル(オペラ?)であるが、見 たのは高校1年の学校の体育館だった。 なんだったんだろう「シェルブールの雨 傘」と別の時に「戦艦ポチョムキン」を 見たことだけを覚…

テレビドラマを見る

テレビはあまり見ないと言っていたのに、 大河「光る君へ」に続いて「舟を編む」 を見ているし、4月から「虎に翼」も。 朝ドラはもうずっと見てなかったのに伊 藤沙莉なのでつい見てみたらやめられな い。オープニングアニメはおしゃれだし、 米津玄師はかっ…

イ・ジョンウン「オマージュ」

2022年韓国映画。 韓国映画もすこし見ている、あたりまえ だが多様な映画が製作されている。 昔の女性がまだ社会で活躍できなかった ころ、女性監督として映画を撮った苦難 とその作品を追っかけていく。それと自 身が現在、映画監督として壁にぶつかっ …

岸井ゆきの「ケイコ 目を澄ませて」

2022年、キネ旬1位作品。気にはな っていた、予想に反して劇的なことは何 も起こらない映画だった。「エール!」 や「コーダ」とは違う、「名もなく貧し く美しく」でもない、ボクシングを趣味 として、いや生きる糧として普通の生活 をしていく。 感動…

一宮市博物館「版画芸術展」

所蔵品による企画展として、棟方志功ら の版画作品の展覧会を見てきた。 戦前は「新版画」(伝統的な分業による) と「創作版画」(すべての制作を自分で 行う)との二手に分かれ、前者は吉田博、 川瀬巴水らが、後者は棟方や現代の作家 につながっていると…

ケヴィン・スペイシー「ユージュアル・サスペクツ」

1995年アメリカ映画。 俳優のキャラ、イメージにひっぱられる、 ケヴィン・スペイシーは大事な役どころ と予想できたし(当たり)、チャズ・パ ルミンテリは実は最後に裏切るんじゃな いかと心配してたし(ハズレ)、「ブラ ス!」のピート・ポスルスウ…

映画「花椒(ホアジャオ)の味」

2019年香港映画。 すみません、中国映画と香港映画と台湾 映画の特徴がわかりません。 香港、台北、重慶と別々に育った異母三 姉妹が、父親の葬儀でお互いの存在を知 り、出会い、父の中華料理店を継ぎ手伝 うことで家族というものに向き合う。 この中国…

演り人知らズ「夫のオリカタ」

亀島の小さなアトリエで、小さな演劇を 観てきた、ここでは2回目。超大作の映 画もいいけれど、ちいさな小屋で目の前 で演じるのを観る演劇の魅力もまったく 対等である。 「夫のオリカタ」、よくこなれた脚本だ った。 ktoshi.hatenablog.com

「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」

2022年アメリカ映画。 去年のアカデミー賞で作品賞を含む7冠 となり話題になっていたので見た、エブ エブというのだそうだ。 パラレルワールドかと思ったら今はマル チバースというようで、どちらにしても よくわからないのだが、こういう世界観 があり…

マーティン・スコセッシ「エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事」

1993年アメリカ映画。スコセッシ監 督作品、知らなかった。 スコセッシはやはりタクシードライバー の衝撃からで、当時はスコルシーズと記 載されていたと思うが、それでその前に 映画館で観た「アリスの恋」(エレン・ バースティンがアカデミー賞をと…

マイケル・ダグラス「ワンダー・ボーイズ」

2000年アメリカ映画。 とんでもなく無茶苦茶な物語、それをマ イケル・ダグラスが演ずる。その恋人( 不倫)がフランシス・マクドーマンドだ ったので、コーエン兄弟の作品かと思っ たらそうでもない。 それでもマイケル・ダグラスの老教授ぶ りもマクド…

ジュリエット・ビノシュ「愛と激しさをもって」

2022年フランス映画。 かつての恋人と再会し心を奪われる。そ のことで夫と喧嘩の連続だが、ビノジュ の心の変化、葛藤、言訳、論破が見事と いえば見事、なにやってんだかと思えば 滑稽。

山下敦弘「1秒後の彼」

2023年、山本監督クドカン脚本で、 台湾映画「1秒先の彼女」の日本版リメ イク。なのに彼女と彼を入れ替えての脚 本でいかにも宮藤官九郎。 うーん、どっちがよかったかというと、 やっぱり先に見た台湾の方か。先に日本 の方を見たら反対の感想になっ…

映画「1秒後の彼女」

2020年台湾映画。 痛快ラブストーリー、細かいところは気 にせず、とにかく面白い、笑った。 いろんな映画があるなあ。主役の女性が 演技なのか個性なのか抜群、彼女だから こその映画だった。 さっそく日本版があるらしい、クドカン らしい、どんな捻り…

パトリス・ルコント「メグレと若い女の死」

2022年フランス・ベルギー映画。 ルコント監督の作品だというので見た。 G・ドパルデューがメグレ警視であり殺 人事件を解決する、メグレのシリーズは 一作も読んだことがないので雰囲気もわ からない、だからルコントらしさもわか らない。ドパルデュ…

映画「ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう」

2021年ジョージア・ドイツ映画。 ジョージア(旧グルジア)の映画ははじ めて。映画は世界中で作られている、し かもその国らしい作品から国とは関係な く独創的な作品まで、題材は無限である。 ジョージアの古都クタイシという町での 男女のめぐり逢い…

映画「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」

2016年アメリカ映画。 ナタリー・ポートマンがジャクリーン・ ケネディを演じ、ファーストレディとな り、暗殺があり葬儀までをドキュメンタ リータッチで描く。 昨日の映画もそうだったが、やはり人の 人生を変えていく、そしてその時の決断、 姿勢が大…

「パークランド  ケネディ暗殺、真実の4日間」

2013年アメリカ映画。トム・ハンク スらの製作。 タイトルのとおり。オズワルドにお兄さ んがいたことは知らなかった、よくぞ、 生き抜いてきた。ホームビデオで撮影し た映像は有名だが撮った人が翻弄された こと、人生が変えられてしまったこと、 想像…

名芸大卒業制作展2024

ことしも近所の大学の卒展を見に行く。 すこしでも知っている人がいれば楽しい のだがだれもいないし、昼時だったから か作品の前で説明してくれる学生もほぼ いなくて、残念ながら感想のやりとり、 励ましができなかった。日本画の院生の がよかった、力を…

映画「マダム・イン・ニューヨーク」

2012年インド映画。 インドも進歩している、主人公の女性が 妻としての役割だけの立場にすこしづつ 疑問を持つ(いや、中産階級の裕福な家 族だからなのだが)。妻は当たり前のよ うに受け入れてきた、夫はそれに無自覚、 といって強権、傲慢ではない、…

フェリックス・ゴンザレス・トレス「無題」

カフェで雑誌を見ていたら既視感のある 写真があった。1995年の春にNYへ ひとり旅したときグッゲンハイム美術館 でそれを見た。よくわからない現代アー トがならぶ中で、無雑作にキャンディが 山積みされていて取って食べていいよと いう作品であった。…

映画「モリコーネ 映画が恋した音楽家」

2021年イタリア映画。イタリアの映 画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネのド キュメンタリー映画。 モリコーネはもちろん知っていたが、こ こまで多くの映画に関わっていたこと、 そして映画だけでなくいろんな音楽を作 っていたことは知らなかった。 映画…

今年の大河ドラマ

鎌倉殿以来一年振りに大河ドラマ「光る 君へ」を見始める。 鎌倉殿は三谷幸喜だったし、今回は吉高 由里子だからというだけである。 藤原のなんとかという名前にはやくもつ いていけない、ただ吉高を見ているだけ である。 光る君へ 前編 NHK大河ドラマ・…

カンバーバッチ「ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ」

2021年イギリス映画。 ベネディクト・カンバーバッチが製作兼 主演。ルイス・ウェインというイラスト 画家の伝記映画であるが、カンバーバッ チはむつかしい役どころをコメディ要素 を入れて好演。ちょっと奇妙な映画、映 像なのかと思っていたらまっと…

ロバート・レッドフォード「さらば愛しきアウトロー」

2018年アメリカ映画。レッドフォー ドの俳優引退映画だったらしい。レッド フォードについては、アカデミーの男優 賞ではなく初監督作品で監督賞を取って いいポジションを得たなと思い、サンダ ンス映画祭を主宰し映画人の育成もして いることもなんと…

ニコラス・ケイジ「マッシブ・タレント」

2022年アメリカ映画。ニコラス・ケ イジが本人役で主演しているようなシチ ュエーションのコメディ映画。 ニコラス・エイジは「月の輝く夜に」で はじめて見て、その存在感に注目したが、 コッポラの親戚というのでなるほどと思 った記憶あり。 その後の…

映画「茶飲友達」

2023年作品。特に老人映画を見るつ もりもないのだが、「PLAN75」と「茶 飲友達」はいくらか気になっていた。 それで後者の方、ちょっと思っていた映 画とは違っていた。高齢向けの売春クラ ブの運営スタッフの若者たちの生き難さ、 孤独、貧困をメイン…