沢木耕太郎「天路の旅人」

ようやく読んだ、沢木の初版サイン本。 ひさしぶり(9年振り)のノンフィクシ ョンだからか、先日も新聞のインタビュ ーとNHKの番組に本人が登場して本の 紹介があった。 大作である、第二次世界大戦の後半、国 の密偵として中国、蒙古、チベット、イ ンドへ…

吉本隆明「夏目漱石を読む」

「猫」が読み進められなくて中断。買っ てあった評論というか講演録を読む。 吉本隆明は興味を持った作家については とことん読む尽くす、読み解くそうで、 漱石を一級の作家として評価しているこ とから読んでみた。講演録をベースにし ているので読みやす…

椎名誠「失踪願望。」

2014年以来のシーナである。 新聞の書評に載っていたのを図書館で見 つけ読んでみた。シーナも喜寿である、 階段から落ちて骨折、白内障手術、車免 許返納、そしてコロナ感染。 昔、彼を発見した時、わたしは20代でシ ーナはその後会社を辞めベストセラー作 …

門井慶喜「銀河鉄道の父」

門井慶喜は軽妙で明るく話はうまいゆえに、 面白いに決まっていると避けてきた、しか も直木賞作品である。ところが読み始めた らいっきに読んでしまいました。 宮沢賢治はある種ダメ男じゃないか、知ら なかった、妹トシは幼くして亡くなったん じゃないの…

夏目漱石「虞美人草」

一度挫折した「虞美人草」を読んだ。 長くトライしてきた漱石読破プロジェク ト(新潮文庫版)をいいかげん結着をつ けよう、年内にきりをつけようと決めて、 あとは「虞美人草」と「猫」。 さて、虞美人草、東京帝大生の3人の男 と金持ちの跳んでるお嬢様、…

川本三郎「ひとり遊びぞ我はまされる」

つられて川本三郎のエッセイ集を久しぶ りに読んだ。ちょっと蘊蓄が詰め込みす ぎで読むのに理解力がついていかないが 面白く読んだ。 コロナ禍で身動きできないといいながら いろんなところへ仕事がらみで旅ができ て、コロナ禍で苦労している一般人とは 違…

夏目漱石「明暗」

最後の作品(未完)読了。 おもしろい、ほぼ事件は起きないのに、 どうでもいいような会話、心理描写なの にぐいぐい読ませる。主人公津田は自分 から行動しない、妻延子は積極的だ、ド ストエフスキーに登場するような小林が いる、そこに清子が現れる。各…

池内紀・川本三郎「すごいトシヨリ散歩」

ちょっと暇つぶしに読んだ、トシヨリの 散歩の話ではない。旅、鉄道、映画、歴 史等縦横無尽に話をする、しかも雑談。 ナチスの歴史に詳しい池内紀と荷風に詳 しい川本三郎を再認識した。 ところで、回覧雑誌という思い出話がで てきて、わたしも突如思い出…

夏目漱石「行人」

ようやく読み終えた。 第1章の友達という章がなかなか読み進 めない、全体像を知らないので話の先が 読めない。ところが第2章から一気に話 が動き出す。学者の兄と弟、その家族、 気難しい兄は知識人としての苦悩と不 安感を抱えている。いまでいうならな ん…

辻原登「遊動亭円木」

盲目の落語家にまつわる人情噺の連作集。 好きな作家といえども好みとそうでもな いものがあるのは当然であり、これは後 者。谷崎賞受賞作品なのにようやくアマ ゾンで購入できたのだが、北村薫の円紫 さんと私シリーズとはもちろん違うんだ けど自分の中で…

高村薫「冷血」(上)(下)再読

前に読んだ「冷血」は単行本で、再読は 文庫本。高村薫は文庫化するとき大幅改 稿するというが、なにぶん細部は覚えて いないなので気にはならなかった。 「我らが少女A」を再読したので、次は 「冷血」と思っていたので、ようやく、 時間がかかったしんどか…

高村薫「土の記」(下)

読みました。ちょっと冬ソナに気持ちが 行っているけど、なんのなんの高村薫の 圧倒的な世界観、この言葉はあまり使わ ないけど言ってしまおう、感動した。 シャープに勤めながら農家の婿養子に入 る、妻に先立たれ、定年後農業をはじめ る、コメ作り、茶畑…

高村薫「土の記」(上)

高村薫の上下巻の上を読了。 漱石の「行人」、辻原登、それにこれと 3冊を並行して読んでおり、これはいか んと思いながら、さらに冬ソナも見始め て。 高村薫のこれは全編農業の話なので敬遠 していたが、先日、我らが少女Aを再読 してよかったのでやっぱり…

夏目漱石「道草」

ずっと漱石新潮文庫版読破プロジェクト をしているが遅々として進んでいない。 特にあと「虞美人草」「行人」「道草」 「明暗」「猫」まできているのに、「虞 美人草」で躓いてる。それで長い中断。 ひさしぶりに一歩進むために虞美人草は 諦めて、3年振りに…

沢木耕太郎「飛び立つ季節ー旅のつばくろー」

沢木耕太郎の日本の旅のエッセイ集第2 弾。今回も東北一周の思い出が語られ、 会津若松のことが書かれている。わたし が行ったことももう漫然としか記憶がな いが、あの頃のふらふら旅は澱となって わたしを形成していると思う。 臼杵の石仏のことも書かれて…

アンソニー・ホロヴィッツ「メインテーマは殺人」

今年の夏はずっと不調だったなあ、暑さ のせいにしたり、気候不順のせいにした り、バイオリズムのせいにしたり、まあ、 いろんなことがあったので不調なのだが、 こういうときはスカッとミステリーでも と。「カササギ殺人事件」に続いてベス トワン総なめ…

辻原登「ジャスミン」再読

最近、再読の本が増えている、新しい作 家を探して読むのはそろそろ終わりかも。 漱石以降の古典も読みたいしなあ。 この数日は「ジャスミン」、スケールの 大きな物語、二度目でもぐいぐい読ませ る。先回は物語の展開を追っかけるのに 夢中で、今回はしっ…

原武史・三浦しをん「皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。」

図書館の三浦しをんの棚にあったので一 緒に借りてきた。原武史は新聞で鉄道の エッセイを連載しているし「滝山コミュ ーン」を読んでいたので知っていた。 三浦しをんはエッセイの芸が確立されて いてここでもつっこみとボケは満載、見 事な芸である。皇室…

三浦しをん「あやつられ文楽鑑賞」

図書館へ行って関連作品の「あやつられ 文楽鑑賞」というを借りてきた。 三浦しをんは本気の文楽推しであった、 楽しい。なかでも「仮名手本忠臣蔵」の お軽勘平がどんな話かわからなかったが うまく説明されていて勉強になった。と いってもどんでもない話…

三浦しをん「仏果を得ず」

三浦しをんのお仕事小説は、いつも知ら ない世界をみせてくれ楽しみなのだが、 ようやくここにたどり着いた。 文楽の世界である。大阪に18年も居たの に国立文楽劇場で文楽を観たのはわずか 3回である。他の太夫の声、語りもよか ったのに住太夫を聞いたら素…

高村薫「地を這う虫」

高村薫の短編4作品を収めた短編集。 短編ははじめて読むんじゃないか。 元刑事、なんらかの理由で刑事を辞めた 男の物語、これはこれでいいんだけどや っぱり重厚な長編に仕上げて圧倒的な物 語を読みたいと思いました。 さて長編「土の記」がまだ手に取っ…

北村薫「遠い唇」

北村薫も久しぶり、こんな文庫も出てい たのか。短編集、どれも楽しく読んだ。 が、乱歩の二銭銅貨とかもう忘れている のでそれに絡む話はよくわからず。「冬 のオペラ」の巫弓彦が出てきたのには驚 いた、こちらもどんな話だったかな。 ああ、どんどん忘却…

中村好文「好文×全作の小屋づくり」

電線や水道管やガス管がつながれていな い小屋、自前だけで暮らしていける小屋 のような家をクライアントの全作さんと 設計士の中村好文がともに知恵を出し、 探し、集め、作る。その過程を含めて紹 介した本。 ここまでやるかというところもあるが、 ひとつ…

高野文子「るきさん」

朝起きたら、ぎっくり腰である。 昨日はワクチンで一日ごろごろ寝ていて 身体が固くなっていたからだろうか。 最近の腰痛は坐骨神経痛なのだが、ぎっ くり腰は久しぶり。ワクチンは37.3℃の微熱が今日も残っており踏んだり蹴ったり。 こういうときは楽しい本…

芦原伸「西部劇を読む事典」

西部劇の関する本を図書館HPで検索して、 (意外と解説本がない)これかなと借り てきて読んだ。西部劇の先入観、偏見は 大量に作られたB級映画からきているよ うだ、昔からインディアンと折り合う映 画も決闘をしない映画もあったし、ジェ ームズ・ステュア…

池澤夏樹「スティル・ライフ」再々読

ちょっとなんだかなという時は、気持ち の落ち着く静謐な本を書棚から探しだす。 今日は「スティル・ライフ」、再々読。 自分の中の広い世界に耳をすます、たと えば、星を見るとかして。 もうひとつの中編「ヤー・チャイカ」も たのしく読みました、今回も…

藤原伊織「蚊トンボ白髭の冒険」

藤原伊織は2、3冊読んだが、どれも面 白かったのでこれも読んでみた。 蚊トンボが青年にとりついて経済がらみ でやくざと戦うという話なのだが、ユー モアもあって面白かったのであまり言い たくはないのだが。 青年の陸上の挫折の話が中途半端、彼女 は魅…

澁澤龍彦「快楽主義の哲学」再読

2022年の8月である。 猛暑、少し散歩するだけであとはエアコン内で生息している。 働いていた時は暑くても雨でも毎日仕 事に出かけたことがいまや信じられな い。そんなだから新聞をゆっくり読む時間があり、結果いつも気分が滅入る。でもこんなにとっちらか…

門井慶喜・万城目学「ぼくらの近代建築デラックス! 」

お二人の近代建築についての対談集。 実際に建物を見に行っての対談なのでわ かりやすいのだが、もっと写真があれば 建築の良さが理解できるのだが残念。 行ったことがあるところはいろいろあり、 行ってみたいところもいくつかある、ヴ ォールス建築はきち…

高村薫「我らが少女A」再読

ちょっと重いものでも読もうと、そうい えばストーリー重視で読んだ「我らが少 女A」をきちんと読もうと再読。時間が かかりました。 なんといっても合田雄一郎、でも警察大 学校の先生となっていて現場にいないの で、直接事件の解決をするわけではない、 …