高村薫「土の記」(下)

読みました。ちょっと冬ソナに気持ちが 行っているけど、なんのなんの高村薫の 圧倒的な世界観、この言葉はあまり使わ ないけど言ってしまおう、感動した。 シャープに勤めながら農家の婿養子に入 る、妻に先立たれ、定年後農業をはじめ る、コメ作り、茶畑…

高村薫「土の記」(上)

高村薫の上下巻の上を読了。 漱石の「行人」、辻原登、それにこれと 3冊を並行して読んでおり、これはいか んと思いながら、さらに冬ソナも見始め て。 高村薫のこれは全編農業の話なので敬遠 していたが、先日、我らが少女Aを再読 してよかったのでやっぱり…

夏目漱石「道草」

ずっと漱石新潮文庫版読破プロジェクト をしているが遅々として進んでいない。 特にあと「虞美人草」「行人」「道草」 「明暗」「猫」まできているのに、虞美 人草で躓いてる。それで長い中断。 ひさしぶりに一歩進むために虞美人草は 諦めて、3年振りに「道…

沢木耕太郎「飛び立つ季節ー旅のつばくろー」

沢木耕太郎の日本の旅のエッセイ集第2 弾。今回も東北一周の思い出が語られ、 会津若松のことが書かれている。わたし が行ったことももう漫然としか記憶がな いが、あの頃のふらふら旅は澱となって わたしを形成していると思う。 臼杵の石仏のことも書かれて…

アンソニー・ホロヴィッツ「メインテーマは殺人」

今年の夏はずっと不調だったなあ、暑さ のせいにしたり、気候不順のせいにした り、バイオリズムのせいにしたり、まあ、 いろんなことがあったので不調なのだが、 こういうときはスカッとミステリーでも と。「カササギ殺人事件」に続いてベス トワン総なめ…

辻原登「ジャスミン」再読

最近、再読の本が増えている、新しい作 家を探して読むのはそろそろ終わりかも。 漱石以降の古典も読みたいしなあ。 この数日は「ジャスミン」、スケールの 大きな物語、二度目でもぐいぐい読ませ る。先回は物語の展開を追っかけるのに 夢中で、今回はしっ…

原武史・三浦しをん「皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。」

図書館の三浦しをんの棚にあったので一 緒に借りてきた。原武史は新聞で鉄道の エッセイを連載しているし「滝山コミュ ーン」を読んでいたので知っていた。 三浦しをんはエッセイの芸が確立されて いてここでもつっこみとボケは満載、見 事な芸である。皇室…

三浦しをん「あやつられ文楽鑑賞」

図書館へ行って関連作品の「あやつられ 文楽鑑賞」というを借りてきた。 三浦しをんは本気の文楽推しであった、 楽しい。なかでも「仮名手本忠臣蔵」の お軽勘平がどんな話かわからなかったが うまく説明されていて勉強になった。と いってもどんでもない話…

三浦しをん「仏果を得ず」

三浦しをんのお仕事小説は、いつも知ら ない世界をみせてくれ楽しみなのだが、 ようやくここにたどり着いた。 文楽の世界である。大阪に18年も居たの に国立文楽劇場で文楽を観たのはわずか 3回である。他の太夫の声、語りもよか ったのに住太夫を聞いたら素…

高村薫「地を這う虫」

高村薫の短編4作品を収めた短編集。 短編ははじめて読むんじゃないか。 元刑事、なんらかの理由で刑事を辞めた 男の物語、これはこれでいいんだけどや っぱり重厚な長編に仕上げて圧倒的な物 語を読みたいと思いました。 さて長編「土の記」がまだ手に取っ…

北村薫「遠い唇」

北村薫も久しぶり、こんな文庫も出てい たのか。短編集、どれも楽しく読んだ。 が、乱歩の二銭銅貨とかもう忘れている のでそれに絡む話はよくわからず。「冬 のオペラ」の巫弓彦が出てきたのには驚 いた、こちらもどんな話だったかな。 ああ、どんどん忘却…

中村好文「好文×全作の小屋づくり」

電線や水道管やガス管がつながれていな い小屋、自前だけで暮らしていける小屋 のような家をクライアントの全作さんと 設計士の中村好文がともに知恵を出し、 探し、集め、作る。その過程を含めて紹 介した本。 ここまでやるかというところもあるが、 ひとつ…

高野文子「るきさん」

朝起きたら、ぎっくり腰である。 昨日はワクチンで一日ごろごろ寝ていて 身体が固くなっていたからだろうか。 最近の腰痛は坐骨神経痛なのだが、ぎっ くり腰は久しぶり。ワクチンは37.3℃の微熱が今日も残っており踏んだり蹴ったり。 こういうときは楽しい本…

芦原伸「西部劇を読む事典」

西部劇の関する本を図書館HPで検索して、 (意外と解説本がない)これかなと借り てきて読んだ。西部劇の先入観、偏見は 大量に作られたB級映画からきているよ うだ、昔からインディアンと折り合う映 画も決闘をしない映画もあったし、ジェ ームズ・ステュア…

池澤夏樹「スティル・ライフ」再々読

ちょっとなんだかなという時は、気持ち の落ち着く静謐な本を書棚から探しだす。 今日は「スティル・ライフ」、再々読。 自分の中の広い世界に耳をすます、たと えば、星を見るとかして。 もうひとつの中編「ヤー・チャイカ」も たのしく読みました、今回も…

藤原伊織「蚊トンボ白髭の冒険」

藤原伊織は2、3冊読んだが、どれも面 白かったのでこれも読んでみた。 蚊トンボが青年にとりついて経済がらみ でやくざと戦うという話なのだが、ユー モアもあって面白かったのであまり言い たくはないのだが。 青年の陸上の挫折の話が中途半端、彼女 は魅…

澁澤龍彦「快楽主義の哲学」再読

2022年の8月である。 猛暑、少し散歩するだけであとはエアコン内で生息している。 働いていた時は暑くても雨でも毎日仕 事に出かけたことがいまや信じられな い。そんなだから新聞をゆっくり読む時間があり、結果いつも気分が滅入る。でもこんなにとっちらか…

門井慶喜・万城目学「ぼくらの近代建築デラックス! 」

お二人の近代建築についての対談集。 実際に建物を見に行っての対談なのでわ かりやすいのだが、もっと写真があれば 建築の良さが理解できるのだが残念。 行ったことがあるところはいろいろあり、 行ってみたいところもいくつかある、ヴ ォールス建築はきち…

高村薫「我らが少女A」再読

ちょっと重いものでも読もうと、そうい えばストーリー重視で読んだ「我らが少 女A」をきちんと読もうと再読。時間が かかりました。 なんといっても合田雄一郎、でも警察大 学校の先生となっていて現場にいないの で、直接事件の解決をするわけではない、 …

清水義範「夫婦で行く意外とおいしいイギリス」

夫婦で行くシリーズの4冊目。まあ、旅 行記は団体ツアーなのでたいしたことな くて、メインは俄か勉強したうんちく話。 ここではイギリスの国王の変遷、まるで わからない、読んでもわからない。高校 時代、世界史の先生は清教徒革命とか名 誉革命とかスコッ…

永田和宏・河野裕子「たとへば君」

永田和宏に関心を持ち、つぎは「たとへ ば君」。夫婦ともに短歌をつくることで ともに暮らした人生を振り返ることがで きるというのはうらやましいことだ。短 歌あるいは言葉があって、そこに絡みつ いている思い出は深い。 短歌もよくわからない短歌がある…

アンディ・ウィアー「プロジェクト・ヘイル・メアリー」(下)

図書館から即刻借りてきて下巻読了。 ページが止まらず、途中の物理学、化学 等の文章はわからなくてもすっとばして 読み進める。宇宙船の構造も、ビートル ズの仕組みもよくわからないがお構いな く読み進める。トラブルは続出だけど、 二人でなんとか解決…

原田マハ「リーチ先生」

所用があって大阪へ行ってきたので電車 の中でずっと「リーチ先生」を読んでい た、大作、文庫588P。 しばらく前にテレビで大分の小鹿田焼の ことをやっていて、民藝、リーチ等関係 を紹介していたことから、待機していた 「リーチ先生」を読むのは今だと思…

アンディ・ウィアー「プロジェクト・ヘイル・メアリー」(上)

朝日新聞の書評欄でひっかかって図書館 で注文し、まず上巻を読んだ。 アンディ・ウィアーは映画「オデッセイ」 の原作「火星の人」の作者、「オデッセ イ」はなかなかエキサイトした映画だっ たので、これは期待できると読んだ。 読みやすい、ユーモアがあ…

五木寛之「作家のおしごと」

五木寛之の「親鸞」が積ん読待機中なので、その前にエッセイ集のようなものを読んだ。 60年代からあるゆるところで目にしてい たが最近は仏教関連と人生論ばかり。も ういちど圧倒的なストーリーを読みたい ものだ。 作家のおしごと 作者:五木 寛之 東京堂出…

100分で名著「砂の女」

安部公房はある時期立て続けに読んだ、 「砂の女」も新潮社の書下ろし純文学作 品として箱入りの単行本で読み、書棚よ り引っぱり出して奥付けを見ると1974年 に読んでいる。(なんと装画が香月泰男 だった) 「箱男」や「密会」や「方舟さくら丸」 みんなこ…

辻原登「枯葉の中の青い炎」

さあ、続けて短編集、全6編である。 「ちょっと歪んだわたしのブローチ」 ミステリーのようでホラーのようで、夫 の我儘に妻が正気か狂気か堕ちていく話、 強い余韻が残る。 「水いらず」 ロッジの管理人が匂いに反応し幻覚を見 て現実が揺らいでいく。 「日…

津野海太郎「かれが最後に書いた本」

webの「考える人」で連載していた原稿 を中心としたエッセイ集。最後の本と云 っているがまだまだ大丈夫。 文章が芸になっている、面白い、80年の 人生の蓄積からの交友、経験が滲み出て いるといえる。うらやましい限り。 かれが最後に書いた本 作者:津野 …

辻原登「隠し女小春」

辻原登の新作である。 タイトルからおかしい、装丁の絵も純文 学とは思えない、奇想の物語である。 リアルドールを愛玩する男がリアルな女 性と付き合いだし、その嫉妬から人格を 持ちはじめ、最後は心中天網島よろしく (なんといっても小春だからね)心中…

永田和弘「あの胸が岬のように遠かった」

なんとなくわかる60年代の典型的な青春。 なんと赤裸々な青春記なんだろう。 NHKのドキュメンタリで永田和宏のこの 本の話を見たのだが、その後それのドラ マ化が放送され、さすがにそれは見てい ないのだが、ちょっと気になって原作本 を読んだ。 京大名誉…