劉慈欣「三体」(1)

友人のお薦めで読んでみる、5巻の内とり あえず第1巻。 オバマがインタビューで愛読したと明かし より有名になったといわれる。SFは苦手な 分野だし、物理学絡みのところはよくわか ないが、大きな世界観、宇宙観に惹きこま れた。第2巻を図書館に予約した。…

三浦しをん「まほろ駅前狂騒曲」

まほろ駅前3部作の3冊目、これで完結。 いままでの登場人物が再登場、多田の進展 と行天の過去を乗り越えていくのが不思議 と感動を呼びおこす。どたばたであるのに 静かな読後の喜びがある。うまいとしかい えない、よかった。 映画も見てみたいな。 まほろ…

上野千鶴子「在宅ひとり死のススメ」

孤独死を在宅ひとり死と呼び、忌み嫌うこ とはないと云う。そのとおり。 学者らしくデータにより説明していく、な にが本人にとって幸せか、それを自分で決 める。そのとおり。 すべて納得するわけではないが、こういう ことを云えるようになったのはよいこ…

平野啓一郎「本心」

平野啓一郎の新作長編、ゆっくり丁寧に読 んだ。近未来のAIによってヴァーチャル・ フィギュアとして亡くなった人を再現でき る世界で、主人公が母を再現し悲しみを癒 しさらに母の秘密を探す。 AIによる人の再現は、カズオ・イシグロの 「クララとお日さま…

佐藤賢一「最終飛行」

サン・テグジュペリとは名前からして孤高 の作家のイメージがある。「星の王子様」 以外の作品を読んだことがないが、出撃後 消息不明になった飛行士として知っている けれど人物はまったく知らなかった。ナチ スによるパリ陥落から反撃までの彼の行動 と人…

池波正太郎「剣客商売二 辻斬り」

剣客商売2冊目。 秋山小兵衛が異常に強すぎる、策士である、 人脈がありすぎる。そうか、剣客を商売道 具にしているのか、隠居してより自由に振 舞えるのか、そういうファンタジー小説だ ったと理解する。とりあえずここまで。 剣客商売二 辻斬り(新潮文庫…

池波正太郎「剣客商売一剣客商売」

熱が下がらず結局2日半ごろごろしていた。 それでふたたび禁断の時代もの小説に手を 出す、藤沢周平はすでに手を出してしまっ たが、池波正太郎はまったくはじめて。な にから読むかは以前に決めてあり数冊確保 してあったので「剣客商売」。 さて、「三屋清…

池澤夏樹「カデナ」再読

池座夏樹読み直しシリーズ久しぶり。 軍隊というもの、現代の戦争というもの、 一方、市民のスパイというもの(ベ平連で あろう)のやり方を小説らしいフィクショ ンとノンフィクションを混ぜ込んで面白い 物語となった。池澤が沖縄で体験したこと、 得た知…

藤原伊織「てのひらの闇」「名残り火ーてのひらの闇Ⅱ」

夏到来のせいか力がでない、ぼんやりして いる。先日のワクチン後の倦怠感はたんな る夏ボケだったかもしれない。 そんなんで、読む本もねころがって。 藤原伊織は直木賞を取った「テロリストの パラソル」を大昔に読んだきり。ちょっと 長い話を読みたかっ…

平野啓一郎「マチネの終わりに」再読

映画が納得できなかったので、本はどうだ ったかと再読。疑問に思ったところは本で はしっかり書き込まれている、丁寧なくら いに。ジャーナリストとしてもやれること をする確かな女性だった、ごめんね。 マネージャーの描き方が本と映画では異な る、映画…

唯川恵「淳子のてっぺん」

登山家田部井淳子さんの伝記フィクション である。沢木耕太郎の「凍」を読んだ時も 極限の山登りそのものに感動は感じなかっ たが、これも同じ、その苦しみと喜びは共 有できない。 しかし、田部井淳子の魅力はおおいに共感 する、こういう大いなる人がとき…

三浦しをん「舟を編む」

いまさら「舟を編む」である、ようやく読 んだ。わりと早く結婚して、わりとスムー ズに辞書が作られていく、辞書を作るとて つもない苦労もあまり伝わってこない。ち ょっと意外。お得意の仕事小説なので、辞 書を作るという特殊な仕事を垣間見る楽し さは…

宮本輝「錦繍」再読

先に、井上ひさし「十二人の手紙」を再読 し、こういう書簡小説ならやっぱりこれと 思ったが、宮本輝は30冊くらい持っていた 文庫本をすべて処分してきたので手元にな くブックオフで買ってきて読んだ、再読。 本当にやりとりしたような手紙ではない、 こん…

吉田修一「路(ルウ)」

台湾新幹線の開発竣工開通までのドラマだ と思っていたらそういう話ではなかった。 それに絡む4組の人間模様、恋愛であり、 家族であり、親友であり、悪人がひとりも でてこないいわゆるいい話で読ませる。 台湾へはいちど行ったことがあるが、確か に猥雑…

原田マハ「ロマンシェ」

パリのリトグラフ工房idemは、芸術新潮の 記事で知っていた。そこを舞台に、若い画 家志望とハードボイルド作家とあれこれが 軽妙にコミカルにはじけて活躍する、原田 マハお得意のアート小説。これはこれでい いでしょう。これを機に東京ステーション ギャ…

カズオ・イシグロ「クララとお日さま」

ミーハーなつもりはないのだが、カズオ・ イシグロの受賞第一作が出たので読んだ。 AI搭載の人型ロボットとある家族との交流 の話なのだがいくつもの流れがありじっく り読ませる。人間の心を慮るロボットは好 感を持たれ、かつ敵意を抱かれる、家族の 中で…

加藤典洋「村上春樹は、むずかしい」

加藤典洋の3冊目。 「村上春樹はむずかしい」はむずかしい。 村上春樹の作風が変化していることはわか っていて、そういうことかとなるほどなあ と思うけど、読書の喜びとしてはとくに必 要ではないなあ。でもときにひとつの作品 で世界を把握することがあ…

松家仁之「泡」

新作を期待している数少ない作家の新刊が 出たので早速読んだ。学校や世間と折り合 えない高校二年の青年が、遠くの叔父さん の店に身を寄せて自己を確立していく話な のだと思う。 この青年の心情はわたしのあの頃と共有感 があり自分事のように読んだ。そ…

井上ひさし「十二人の手紙」再読

最近この本がリバイバルで売れているとい うのでブックオフで買って読んだ。じつは むかし井上ひさしは文庫で数十冊持ってい たが処分してしまったのでやむなく。だか ら再読。手紙だけで書かれた小説なので、 宮本輝の「錦繍」と同じだが(宮本輝もた くさ…

加藤典洋「大きな字で書くこと」

哲学や思想や評論はむつかしくて読めない が、そういうある分野で成した人のエッセ イを読むのはなかなか楽しい。鶴見俊輔、 吉本隆明、それに建築家のエッセイも好き だ。評論家の加藤典洋の最後のエッセイと いうので読んでみた。なかなか含蓄のある こと…

森まゆみ「『青鞜』の冒険」

これは平塚らいてふが作った「青鞜」の歴 史を、森まゆみが作った「谷根千」と重ね 合わせながらを振り返るという作品で、と ても興味深く読んだ。 平塚らいてふは勝手に思っていた解放闘士 ではなく中産階級の自由人であるとイメー ジを新たにした。そもそ…

池井戸潤「下町ロケット ヤタガラス」

下町ロケット4作目。 まとめて4冊買ったのでようやく読み終え た。といってもすいすい読めるので読めば 早い。こんどは農業の話、自動ロボット農 業機械の開発の話である。話しの組み立て はうまい、企業競争はこんなものだろうが、 見事にいいところに落と…

門井慶喜「ゆけ、おりょう」

「竜馬がゆく」に対応しての「ゆけ、おり ょう」なのだろう。竜馬死後のおりょうさ んについてはなんとなく知ってはいたが、 竜馬が維新後ほぼ忘れられ、おりょうも忘 れられ(わざと表に出ずか)、市井のなか で暮らしたということ。維新により亡くな った…

辻原登「熱い読書冷たい読書」

はじめてのエッセイというか書評。 作家というのはすごいなあ、なんでも読む、 むつかしいものを読む、博覧強記というの でしょうね。 やっぱり古典を読まなきゃなあという気分 になる。 新版 熱い読書 冷たい読書 (ちくま文庫) 作者:辻原 登 発売日: 2013/0…

小野不由美「図南の翼」

ベストセラー十二国記シリーズの一冊、シ リーズの6作目らしい。十二国記シリーズ は読んでなかったところへ友人が「白銀の おか玄の月」を貸してくれたので読んでみ たがむつかしすぎて。シリーズの内「図南 の翼」を目黒考二(北上次郎)が絶賛する のでこ…

安倍夜郎「深夜食堂」1~9巻

ブックオフの100円棚で深夜食堂9冊が並ん でいたので買ってきた。読み始めたら読ん だことがあるような、調べたら1~3巻を すでに読んでいた。4~9巻までは未読な のでまあいいか。そうだ映画も見たのだ。 深夜食堂(1) (ビッグコミックススペシャル) …

辻原登「韃靼の馬」(上)(下)

もう昔に出たような古い本は書店には置い てないけど、まれにamazonに入手したの を見つけることがあり、ようやく文庫上下 を購入できた。ちょっと簡単には説明でき ない壮大な大河ドラマである。 江戸時代の日本と朝鮮との交易はうっすら とは知っていたが…

沢野ひとし「ジジイの片づけ」

沢野ひとしは久しぶり、書店で目に留まり、 帯の谷川俊太郎に留まり、沢野の人生の片 づけ話かと思ったら、家の片づけ、暮らし の片づけの話だった。沢野ひとしにこんな 几帳面な整理整頓ができるとは思わなかっ た、放埓の人だったのに。 でもところどころ…

さそうあきら「マエストロ」1~3巻

ブックオフでときどきマンガの棚を眺める。 もう知っている作家、作品はほとんどない、 それでいいんだけど、ふと目に留まるもの がある、歴史ものとか日常ものとかで、全 1巻とか3巻くらいまでに完結していると手 がいく。パラパラと絵を見て、本のきれい …

池井戸潤「下町ロケット ゴースト」

下町ロケット3作目。 おもしろかったけど、どんな人がこれを読 むのだろうか。現役のエンジニアは読むだ ろうか、一流大企業の人は読むだろうか、 中小企業の人はどうだろうか。わたしは現 役だったら読まなかったな、リアルの方で いっぱいだった。半沢直樹…