門井慶喜「ゆけ、おりょう」

「竜馬がゆく」に対応しての「ゆけ、おり ょう」なのだろう。竜馬死後のおりょうさ んについてはなんとなく知ってはいたが、 竜馬が維新後ほぼ忘れられ、おりょうも忘 れられ(わざと表に出ずか)、市井のなか で暮らしたということ。維新により亡くな った…

辻原登「熱い読書冷たい読書」

はじめてのエッセイというか書評。 作家というのはすごいなあ、なんでも読む、 むつかしいものを読む、博覧強記というの でしょうね。 やっぱり古典を読まなきゃなあという気分 になる。 新版 熱い読書 冷たい読書 (ちくま文庫) 作者:辻原 登 発売日: 2013/0…

小野不由美「図南の翼」

ベストセラー十二国記シリーズの一冊、シ リーズの6作目らしい。十二国記シリーズ は読んでなかったところへ友人が「白銀の おか玄の月」を貸してくれたので読んでみ たがむつかしすぎて。シリーズの内「図南 の翼」を目黒考二(北上次郎)が絶賛する のでこ…

安倍夜郎「深夜食堂」1~9巻

ブックオフの100円棚で深夜食堂9冊が並ん でいたので買ってきた。読み始めたら読ん だことがあるような、調べたら1~3巻を すでに読んでいた。4~9巻までは未読な のでまあいいか。そうだ映画も見たのだ。 深夜食堂(1) (ビッグコミックススペシャル) …

辻原登「韃靼の馬」(上)(下)

もう昔に出たような古い本は書店には置い てないけど、まれにamazonに入手したの を見つけることがあり、ようやく文庫上下 を購入できた。ちょっと簡単には説明でき ない壮大な大河ドラマである。 江戸時代の日本と朝鮮との交易はうっすら とは知っていたが…

沢野ひとし「ジジイの片づけ」

沢野ひとしは久しぶり、書店で目に留まり、 帯の谷川俊太郎に留まり、沢野の人生の片 づけ話かと思ったら、家の片づけ、暮らし の片づけの話だった。沢野ひとしにこんな 几帳面な整理整頓ができるとは思わなかっ た、放埓の人だったのに。 でもところどころ…

さそうあきら「マエストロ」1~3巻

ブックオフでときどきマンガの棚を眺める。 もう知っている作家、作品はほとんどない、 それでいいんだけど、ふと目に留まるもの がある、歴史ものとか日常ものとかで、全 1巻とか3巻くらいまでに完結していると手 がいく。パラパラと絵を見て、本のきれい …

池井戸潤「下町ロケット ゴースト」

下町ロケット3作目。 おもしろかったけど、どんな人がこれを読 むのだろうか。現役のエンジニアは読むだ ろうか、一流大企業の人は読むだろうか、 中小企業の人はどうだろうか。わたしは現 役だったら読まなかったな、リアルの方で いっぱいだった。半沢直樹…

池井戸潤「下町ロケット2 ガウディ計画」

しばらく前にブックオフで「下町ロケット」 シリーズ4冊揃いがあったので購入。1は 読んだことがあったが、2以降読むために 再度1を読んでから2.ガウディ計画を読 んだ。わかりやすいぐんぐん読める物語、 こういうのは多かれ経験してきたので、あ あ、…

森まゆみ「路上のポルトレ ー 憶いだす人びと」

森まゆみは実に多くの人と会いつながりを 持つ。そして一緒に動き、記録する。市井 の人々、学者、建築家、そして中村哲、鶴 見俊輔、有元利夫(表紙装画、いいなあ)、 そしてなんと椎名誠の爬虫類の高田専務。 先輩、先達からいろんなことを聞き出して い…

三浦しをん「愛なき世界」

新聞小説なのでさくさく読める。 東大の理学部植物学の院生博士課程の女性 研究者が研究に邁進する話。恋愛結婚を除 外して植物を対象した研究生活にのめりこ むので愛なき世界なのだが、それもまた潔 し、夢中になれるのは素敵なことだ。愛な き世界はじつ…

中公新書「ビル・クリントン」

アメリカ大統領がバイデン氏に交代し、図 書館でそれに関するような本を物色してい たところ、中公新書のクリントンの8年間 を総括するような本を見つけ、読んだ。 クリントンは若くて陽気でいかにもアメリ カ的であり、また今でも人気が高いのはな なぜか…

三浦しをん「あの家に暮らす四人の女」

三浦しをんブームである。今回はこれ、変 わった題名だと思いながら、なんと谷崎の 「細雪」へのオマージュだそうな。この四 人は細雪の4姉妹の名前をもじった名前に なっている。前半はおっとりと楽しそうな 共同生活のあれこれ、ところが後半に河童 とカ…

池澤夏樹「ワカタケル」

池澤夏樹が「古事記」の現代語訳をしたと きに勉強した成果により、雄略天皇の物語 を書いたということらしい。雄略天皇はワ カタケルといわれ、埼玉県の稲荷山古墳か ら出土した鉄剣の銘文に獲加多支鹵大王 (ワカタケル大王)とあることから大和王 権が遠…

三浦しをん「きみはポラリス」

ポラリスは北極星なのだそうだ。きみは動 かない天の中心の星ということなのだろう。 三浦しをんの短編集、「骨片」「森を歩く」 がよかった。ちょっとどうかなと思わせる のも含むいろんな恋愛の在り方を示す。 きみはポラリス (新潮文庫) 作者:しをん, 三…

村上春樹「猫を棄てる」

村上春樹の父と父の戦争について語られた 作品。基本は父との和解、あるいは息子の 帰還(放蕩息子の帰還か)である。ここへ きて父のことを知りたいと思い調べ、その 歴史を継承していく作業をとおして父と和 解する、子供のいない村上春樹はこういう かた…

三浦しをん「まほろ駅前番外地」

まほろ駅前のスピンオフ短編集。 こっちのほうがおもしろかった。もう一冊 シリーズがあるので入手せねば。 まほろ駅前番外地 (文春文庫) 作者:三浦 しをん 発売日: 2012/10/10 メディア: 文庫

辻真先「たかが殺人じゃないか」

2020年のミステリ3冠をとった小説とい うので図書館で借りて読んだ。 わたしの好みではありませんでした、青春 ミステリというのは苦手。辻真先は名古屋 では昔有名だった代議士を親に持ち、テレ ビの脚本家、作家として知っていたが、本 を読んだのははじめ…

國分功一郎「暇と退屈の倫理学」

ベストセラーになった哲学の本らしい。暇 とか退屈とかの意味を考える、退屈の苦し さとかを考えて、自分だけの生き方のルー ルを見つけるというのだが、そんなことの 意味なんて考えたこともなかった。 ここでの結論は、消費するな浪費せよとい うことで、…

島田裕巳の新書2冊

本の題名が長いのでタイトル欄に書けない、 こういう題名を付けないと読んでもらえな いのだろう。 幻冬舎新書「なぜ八幡神社が日本でいちば ん多いのか~八幡/天神/稲荷/伊勢/出雲/春 日/熊野/祇園/諏訪/白山/住吉の信仰系統~」 と、同「浄土真宗はなぜ日…

中村好文「普段着の住宅術」

持っていなかった本が文庫になったので購 入、読んだ。やっぱり設計で誇示しない、 好奇心が溢れている、普通の建築家ではな いのに普通(普段着のか)の住宅を作る。 そして文章も楽しい、自分も楽しく暮らし たいと思わせる、豊かな気分になる。 普段着の…

木下長宏「ゴッホ<自画像>紀行」

ゴッホを研究するにいろんな切り口がある が、自画像に着目し全生涯を見渡すような 本、新書を読んだ。 彼の自画像は42点、描かれている時期はパ リ時代の2年間に集中してる。そこから謎 解きをしていく、スリリングで興味深くお もしろい。おもしろかった、…

三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

三浦しをんの直木賞受賞作をようやく読ん だ。ちょっとサービス精神が旺盛すぎる盛り込みではあるが、二人の背景が徐々に明 らかにされてどたばた話に奥行きを与えて いる。うまい、やっぱり三浦しをんは。映 画化もされてるんだな。 どっしりした堂々たる長…

横山秀夫「64(ロクヨン)」

もう新しい作家を読みはじめるのはやめよ うと思っていたのに辻原登は別格として、 三浦しをんを読みはじめ、こんどは横山秀 夫を手に取った、でもこれっきりの予定。 どうしてこういう警察内部を扱ったものが 人気があるのかというとやっぱり権力のあ る者…

原田マハ「ハグとナガラ」

美術物ではない作品、短編集。 ちょっと難解なものを読んでいたので、軽 く読めるものと、いやすぐに読み終えまし た。いろんなものを受け入れて前に行く、 そのためにすこしの息抜きというか栄養と いうかそれが旅だと、そう大きい声で云え る落ち着きが戻…

川端裕人「色のふしぎと不思議な社会」

副題に2020年代の「色覚」原論とある ように、先天色覚異常を取り巻く社会、 学問の先端研究を調べて、分析、提言 等を行ったノンフィクション。 先般、参加しているNPOでのリモート 講演会で作者の話を聞いて、早速本を 購入し読んだ。 色覚異常は、いまや…

藤田宜永「たまゆらの愛」

ぼーとしていたいときに読んだ本。 わたしの好みではありませんでした。文庫 で2cmもありそうなのでたいへんだった、 やめたら結末がわからないのでやめられず。 たまゆらの愛 (光文社文庫) 作者:藤田 宜永 発売日: 2019/04/26 メディア: Kindle版

原田マハ「あの絵のまえで」

いつもの美術題材の短編集。このジャンル を切り拓いた彼女はなにを書いても許され る世界がある。ここからその絵を見に行く、 羨ましい限り。 〈あの絵〉のまえで 作者:原田 マハ 発売日: 2020/03/18 メディア: 単行本

三浦しをん「風が強く吹いている」

箱根駅伝を舞台にした大学生のファンタジ ースポーツ小説である。現実にはありえな いなどと思って読んではいけない。その前 提で主人公二人の走ることの爽快感、美し さみたいなものが伝わってくる、読んでい て気持ちがいい。勝ち負けではない強さと いう…

辻原登「闇の奥」

これはむつかしかった。現実と虚構が、フ ィクションとノンフィクションが入り混じ り、理解できないままに物語は進んでいく。 サリンジャーの笑い男(ナイン・ストーリ ーズ)がうまく私の中で消化できず、カレ ー中毒事件もCIAも出てきて、後半、女医 さん…