谷崎潤一郎「蓼喰う虫」

おもしろかった。文章がなめらかで華や

かでもある、流暢な日本語というのか、

離婚を前にした現代的な話を関西の雰囲

気に馴染ませ、気持ちよく読ませる。

人形浄瑠璃文楽)が大きく絡んでくる、

すこし見たことがあるのでわかるところ

もある、それでよりよく読ませる。

結末がない、突然終わる、要のお久への

妖しい恋心はどうなるのか、もしや老人

の企みではないのか。

いままでの谷崎で一番おもしろかった。