2024-01-01から1年間の記事一覧

パトリス・ルコント「メグレと若い女の死」

2022年フランス・ベルギー映画。 ルコント監督の作品だというので見た。 G・ドパルデューがメグレ警視であり殺 人事件を解決する、メグレのシリーズは 一作も読んだことがないので雰囲気もわ からない、だからルコントらしさもわか らない。ドパルデュ…

映画「ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう」

2021年ジョージア・ドイツ映画。 ジョージア(旧グルジア)の映画ははじ めて。映画は世界中で作られている、し かもその国らしい作品から国とは関係な く独創的な作品まで、題材は無限である。 ジョージアの古都クタイシという町での 男女のめぐり逢い…

福岡伸一「フェルメール 隠された次元」

フェルメール巡礼をする福岡先生の科学 者らしいフェルメール探究本。 制作順に並べるといろんなことがわかっ てくるという話はおもしろかった。また 指紋の痕跡を探すことでわかることがあ るというのも期待できる。 学者というのはとことんのめり込むもの …

尾崎真理子「大江健三郎の「義」」

大江健三郎の「壊す人」や「ギー兄さん」 をイメージがわかないままに読んできた のだが、それがわかるかなと読んでみた のがこの本である。尾崎真理子は「大江 健三郎作家自身を語る」のインタビュー 本を出して大江の研究者でもある。とこ ろがブレイクと…

映画「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」

2016年アメリカ映画。 ナタリー・ポートマンがジャクリーン・ ケネディを演じ、ファーストレディとな り、暗殺があり葬儀までをドキュメンタ リータッチで描く。 昨日の映画もそうだったが、やはり人の 人生を変えていく、そしてその時の決断、 姿勢が大…

「パークランド  ケネディ暗殺、真実の4日間」

2013年アメリカ映画。トム・ハンク スらの製作。 タイトルのとおり。オズワルドにお兄さ んがいたことは知らなかった、よくぞ、 生き抜いてきた。ホームビデオで撮影し た映像は有名だが撮った人が翻弄された こと、人生が変えられてしまったこと、 想像…

ハルノ宵子「隆明だもの」

ちょっとむつかしい本に手を出していて なかなか読み終えない。それで図書館で 軽いエッセイをいろいろ借りてきて読ん でいる。まあ、ここで感想を書くまでも ない。そのなかの一冊、吉本隆明の長女 の父と家族にまつわるエッセイ集。 よしもとばななは読ん…

名芸大卒業制作展2024

ことしも近所の大学の卒展を見に行く。 すこしでも知っている人がいれば楽しい のだがだれもいないし、昼時だったから か作品の前で説明してくれる学生もほぼ いなくて、残念ながら感想のやりとり、 励ましができなかった。日本画の院生の がよかった、力を…

植木剪定

植木屋さんに剪定を頼んだのは20年以 上振りである。自分で適当にやっていた のだが高いところはもう無理と諦めて、 3本の高い木を背の高さくらいまで伐採 してもらった。おまけに2本の木を抜い てもらい庭のダウンサイズした。 それは最近の流行りのよ…

図鑑はじめての絵画

小学館の「図鑑NEOアートはじめての絵 画」を見た、読んだ。図書館のこどもエ リアで見つけて、そうそう発行された時 話題になって見たいと思っていたのを思 い出して借りてきた。 30年以上前に美術に興味を持ち、それま でマネとモネの違いもわからなかった…

映画「マダム・イン・ニューヨーク」

2012年インド映画。 インドも進歩している、主人公の女性が 妻としての役割だけの立場にすこしづつ 疑問を持つ(いや、中産階級の裕福な家 族だからなのだが)。妻は当たり前のよ うに受け入れてきた、夫はそれに無自覚、 といって強権、傲慢ではない、…

わたしのコロナも終わり

昨日はコロナワクチン6回目を打ってきた。 7回の内6回打ったことになる、いくらか 流行傾向にあるのを見て、無料もまもな く終了なら打っておくかとセコイ! 図書館で綿矢りさ「あのころなにしてた?」 を借りて読んだ。2020年に不気味な 流行が始まり…

小澤征爾さん

家にまだステレオセットがなかった頃、 ポータブルプレーヤーというのがあって 十枚くらいのレコード盤もあった。 そのなかの一枚が、小澤征爾の軽クラシ ック集で、見開きの解説には小澤征爾の 単身オートバイでヨーロッパ修行に行き 実力者になってきたと…

フェリックス・ゴンザレス・トレス「無題」

カフェで雑誌を見ていたら既視感のある 写真があった。1995年の春にNYへ ひとり旅したときグッゲンハイム美術館 でそれを見た。よくわからない現代アー トがならぶ中で、無雑作にキャンディが 山積みされていて取って食べていいよと いう作品であった。…

映画「モリコーネ 映画が恋した音楽家」

2021年イタリア映画。イタリアの映 画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネのド キュメンタリー映画。 モリコーネはもちろん知っていたが、こ こまで多くの映画に関わっていたこと、 そして映画だけでなくいろんな音楽を作 っていたことは知らなかった。 映画…

今年の大河ドラマ

鎌倉殿以来一年振りに大河ドラマ「光る 君へ」を見始める。 鎌倉殿は三谷幸喜だったし、今回は吉高 由里子だからというだけである。 藤原のなんとかという名前にはやくもつ いていけない、ただ吉高を見ているだけ である。 光る君へ 前編 NHK大河ドラマ・…

書のワークショップへ

メナード美術館でワークショップがあり 申し込んで参加した。美術館の企画展の 「歳時記」にちなんで春の季節を書にす るというワークショップ。 書いたのは藤島武二の「耕天到」すなわ ち「耕して天に到る」である。 まあ素人なので数枚練習してすぐに本番…

カンバーバッチ「ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ」

2021年イギリス映画。 ベネディクト・カンバーバッチが製作兼 主演。ルイス・ウェインというイラスト 画家の伝記映画であるが、カンバーバッ チはむつかしい役どころをコメディ要素 を入れて好演。ちょっと奇妙な映画、映 像なのかと思っていたらまっと…

ロバート・レッドフォード「さらば愛しきアウトロー」

2018年アメリカ映画。レッドフォー ドの俳優引退映画だったらしい。レッド フォードについては、アカデミーの男優 賞ではなく初監督作品で監督賞を取って いいポジションを得たなと思い、サンダ ンス映画祭を主宰し映画人の育成もして いることもなんと…

ニコラス・ケイジ「マッシブ・タレント」

2022年アメリカ映画。ニコラス・ケ イジが本人役で主演しているようなシチ ュエーションのコメディ映画。 ニコラス・エイジは「月の輝く夜に」で はじめて見て、その存在感に注目したが、 コッポラの親戚というのでなるほどと思 った記憶あり。 その後の…

映画「茶飲友達」

2023年作品。特に老人映画を見るつ もりもないのだが、「PLAN75」と「茶 飲友達」はいくらか気になっていた。 それで後者の方、ちょっと思っていた映 画とは違っていた。高齢向けの売春クラ ブの運営スタッフの若者たちの生き難さ、 孤独、貧困をメイン…

清水義範「目からウロコの世界史物語」

ひさしぶりの清水義範、ねっころがって 読む。中学高校で習った世界史はほぼヨ ーロッパ中心(たぶん、寝てたので)、 だからモンゴルや中東、トルコの歴史と いうのはなんともあいまいである。昔、 世界最強の国家、文化があったことなど まるでわかってい…

ビリー・クリスタル「アナライズ・ミー」「アナライズ・ユー」

1999年、2002年アメリカ映画。 ビリー・クリスタルが製作に参加して、 彼とデ・ニーロとの共演、もうむちゃく ちゃなコメディ。それをなんとなく形を 成して納まっているところがよくできて いる。続けて見てしまった。 デ・ニーロの顔力、狂気と笑…

映画「シング・ストリート 未来へのうた」

2016年アイルランド映画。 「はじまりのうた」のジョン・カーニー 監督、主演は「コーダあいのうた」のフ ェルディア・ウォルシュ=ピーロ。兄の ジャック・レイナーがいい、もっとエピ ソードが膨らんでもよい、姉も同様。楽 器がどれもできる友人がな…

メナード美術館「歳時記 花ひらく春」展

雨の日曜なので、ひさしぶりにメナード 美術館へ、なんと1年半ぶりくらい。 花ひらく春と題した所蔵企画展、新年ら しい春の慶びの絵が気持ちを明るくさせ てくれる。 同時開催の小特集「小さな作品たち」と いう展示があった。ジャコメッティ彫刻 やド・ス…

映画「ミセス・ハリス、パリへ行く」

2022年イギリス映画。監督も主演女 優レスリー・マンビルも知らない人で、 イザベル・ユペールしか知らなかった。 ハッピー夢物語ではある。ハリスさんは しっかりした家政婦ででも天然というか おおらかというか一途というか、大事な ところで前に出る…

妻夫木聡「ある男」

平野啓一郎の「ある男」は読んだのだが、 その映画化、2022年石川慶監督作品。 重厚な中身の詰まった平野啓一郎の小説 を映画にするのは大変だと思うが、さす が重くどっしりした映画となっていた。 親子、夫婦の関係を突きつめていくとや はり別人とな…

レオナルド・ディカプリオ「J・エドガー」

2011年アメリカ映画、クリント・イース トウッド監督作品なんだけど、ここはデ ィカプリオの映画としておく。ディカプ リオはいかにもやる気満々、イーストウ ッドの演出なのかもしれないけどそこま で露悪的にやらなくてもよかったのに。 ジョン・エドガー…

タン・ウェイ「別れる決心」

2022年韓国映画。 「JSA」で見たパク・チャヌク監督の 最新作らしい。 刑事が被疑者に恋をしてしまうというか ら高村薫の「照柿」を思い浮かべてしま ったが、被疑者タン・ウェイはなかなか したたかで謎の女性である。 2人が魅かれあうのがサスペン…

津村記久子「水車小屋のネネ」

もう新しい現代作家は開拓しない、読ま ないと決めていたのだが、あまりに褒め られている本を知ったので図書館で借り て読んだ。谷崎潤一郎賞。 大長編、1981年から10年毎に仲の いい姉妹が成長していく物語。目次から して2011年という章がある…