先日、新聞で長谷川宏という在野の哲学
者を知ったと書いた。図書館へ行き棚を
探したら彼の中公新書を見つけこれなら
読めそうな気がして借りて読んだ。
わたしはビジネス本や人生訓本を読まな
い、だから幸福とは何かというような題
名の本を読まない。
一方で哲学に関する本はどれもピンとこ
ない、いままで目からウロコを得られな
かった。
しかし長谷川宏である。いままで読んだ
哲学本とはちと違った、いつものように
ソクラテスとかカントとかでてくる、で
も彼らの思考はその時代背景に強く影響
を受けていること、そして先達の思考を
上書きしていくこと、という説明はウロ
コだった、わかりやすかった。そして幸
福という切り口で哲学の流れを積み上げ
ていき、わたしにも受け入れることがで
きたあたりまえの結論となる。知らず知
らずわたしが望んでいたのはそういう幸
福だったと知ることとなった。
意志としての楽観主義(@アラン)、怠
惰への讃歌(@ラッセル)、身近な地味
な穏やかな幸福(@長谷川宏)
やっぱりそれなりにむつかしかったが、
市井で塾や勉強会を開く哲学者として平
易に語ろうとする想いは受けとめた。