2005-01-01から1年間の記事一覧

サマー・タイムマシン・ブルース(演劇版)

インデペンデンスシアターという妖しげなホールの 前列2列目、椅子ではなく木箱に座布団という席で、 ヨーロッパ企画の「サマー・タイムマシン・ブルー ス」を観る。こんな雰囲気の芝居を観るのは、彗星 86以来のことだ。 若者がふだんの言葉と発声で、部…

「東京原発」

昔、東京に原発をという本があって、そのタイトルに皮肉でも なんでもなくそのとおりだと思ったものだ。 この映画は、警句としての東京原発で、それはありきたりで あり、幹部らの無能さと教授の怪しげさも薄っぺらな感じ。 もっと直球勝負して、観客に判断…

深田恭子「下妻物語」

ビデオで観た。 大林のデビュー作HOUSEを思い出した、その演出を 現代にもってくるとこんな感じか。 キネ旬3位だそうで、スィングガールズのときも思ったが、 この雑っぽいところがいいのだろうか。このヒラヒラ系の ファッションが、ロリコンファッシ…

平田オリザ「その河をこえて、五月」

テレビで、平田オリザ作の「その河をこえて、五月」という芝居を観た。 日韓合作の芝居ということで、重苦しい話しかと思っていたが、 もちろんそのことを触れるわけにはいかず、というかそのからみの話に 終始するわけだけど、普通の人の持つ普通の感覚でほ…

フィルハーモニア・シュランメルン

衛星放送をつけたら、クラシック番組でなんだかとても楽しそうな音楽。 フィルハーモニア・シュランメルン,ウィーンの公演。 これは楽しい。録画すればよかった。CDかDVDを探そう。 ウィーンのホイリゲと呼ばれる居酒屋で、ギターとアコーディオンとヴ…

「スターウォーズⅢシスの復讐」

1978年にスターウォーズ(Ⅳ)を、テアトル東京で小野君という友人と 観て以来、27年後、ナビオTOHOでようやく6部作完結篇を観る。 なんと27年も経過していることに改めて驚く。 78年は仕事を始めた年で、あれから27年。シスの復讐は、Ⅳに繋…

谷川俊太郎「詩選集1、2、3」

集英社文庫から谷川俊太郎詩選集が 全3巻で刊行されて、その第3巻完結。 寝る前にときどきひとつふたつ声を出 して読む。ほんとうはいいのかわるい のかわからない。 でも読みたいと思うのは谷川俊太郎だけ。

[]山田洋次「隠し剣鬼の爪」

山田洋次時代劇第2弾の、映画「隠し剣鬼の爪」をようやく観る。 やっぱり主役は剣の達人なんだよね。 そうなんだけど、やっぱりずるい。 藤沢周平は、近寄らないようにしている作家であるが、 うずうずするなあ。

丸谷才一「花火屋の大将」

最近の丸谷才一のエッセイは、教養がないと読めなくなっていると 思う。そりゃあ、語り口はやさしいし、変幻自在だし、下世話な 話を織り込むのはうまいし、でも核心は教養がないとわからない。 面白いけど、くやしい。

真保裕一「朽ちた樹々の枝の下で」

ブックオフ版「朽ちた樹々の枝の下で」読了。 厚い文庫だったので、2つに割って読みました。 最後に来て、わりとあっけなく終わってしまったが、 やはり面白かったとしかいいようがない。 もうすこし林業の問題も盛り込まれてもよかったか。

夏目漱石「坊ちゃん」

漱石読破プロジェクト第4弾は坊ちゃん、まさかこの本を読み直す なんて思ってもいなかった。が、映画やテレビの記憶が大きく、 本を読んでて、赤シャツを成敗する場面で、あと数ページしかなく おかしいなと思っていたら、ストンと話が終わってしまった。 …

子どものためのシェイクスピア「尺には尺を」

子どものためのシェイクスピアカンパニーの公演を観に行く。 今回は「尺には尺を」と、名前すら聞いたことがない。 大阪公演はパナソニックが後援していて、料金も半額程度で、 天満橋のドーンセンターというきれいなホールであった。 ストーリーはシンプル…

「パリルーブル美術館の秘密」

ルーブルの裏側を紹介するドキュメンタリー映画を観る。 当たり前のことだが、裏側で支える人たちや仕組み、組織が あってこそ、私たちは気持ちよく展覧会を観ることができる。 それにしても、想像以上の光景をこの映画は見せてくれた。 渋い。

熊谷守一の世界展

大阪府立弥生文化博物館で開かれているモリカズの 水墨画、書の展覧会へ出かける。 あるところまでいってしまって、その後は「へた」 も芸術ということか。そこまでいく回顧展を観てみ たいものだ。

西宮市大谷記念美術館

神戸市立博物館の後、三ノ宮駅北側のギャラリー ラ・ポールへ 榎並和春展を観に行く。今回は人物より風景が多かったせいか、 改めて油絵とは違う、なんといったらよいかレリーフというか、 オブジェというか、その質感だけに目が要ってしまうということを発…

「ベルリンの至宝展」

神戸市立美術館へベルリンの至宝展を観に行った。 はじめてボッティチェリの絵を観た。 はじめてプーシェの絵を観た。 古代ギリシャ、ローマの彫刻作品が多かったが、 やはり絵画を観るのはうれしい。

永島慎二さんのこと3

マンガ夜話の永島慎二再放送をみる。 出演者のそれぞれ愛憎交えた距離の置き方に強く共感する。 私も同じことであったからだ。 しかし、 それを越えて、隠居漫画家になってからの永島慎二を見届けたいと 思い、また、描かれている線やデザインセンスが好きだ…

沢木耕太郎「酒盃を乾して」

沢木のノンフィクション全集の最終巻。 やはり「杯」が充実感がある。単行本で読んだ「冠」より よかった。沢木は書く対象に、どれだけ思いを入れ込めるかにより 作品が決まるということがよくわかる。

「ギュスターブ・モロー展」

兵庫県立美術館へモロー展を観に。 象徴派というのでしょうか、堪能しました。 聖書の世界より、ギリシャ神話の世界を多く描き、 よくわからないものも多かったが、それでも強く 惹きつけられる。 デッサンや水彩の習作が多く観ることができ、 それも面白か…

ジェラール・フィリップ「モンパルナスの灯」

ジェラール・フィリップ演ずるモディリアーニの生涯は 昔の芸術家を絵に描いたような苦悩と、妻である美女 アヌーク・エーメそして姉御パトロン(女優不明、これがいい) の献身というストーリー。彼の生活破錠が絵と関係があるのか よくわからない。 絶世の…

小川百合「英国オックスフォードで学ぶということ」

英国オックスフォードで学ぶということ―今もなお豊かに時が積もる街― の作者は50代の女性画家、版画家で、オックスフォードへ留学したその 体験記である。公費留学で、生活臭のある苦労話もなく、スノッブな文章では あるが、そのように書かせるのがオック…

榎並和春さん

榎並和春個展の案内が送られてきました。 神戸ギャラリー・ルポールで7月21日〜26日 壁のような厚塗りの静謐で思索的な絵を描かれる画家さんです。 行きたいが、まだスケジュールが立たない。

野崎昭弘「詭弁論理学」

安野光雅つながりで野崎昭弘の詭弁論理学をようやく読む。 論理的のものを考え、かつ詭弁を駆使できる才能が欲しい。 ほんとに平気で詭弁を弄する輩が多くてうらやましい。

永島慎二さんのこと2

永島慎二さんの多くの評価が「漫画家残酷物語」で、知名度が「柔道一直線」で、 人気が「フーテン」というのでは、違和感を感じます。 またあの頃の青春という時代の空気としてではない、普遍的な評価がされても いいのではないかと感じています。彼の漫画は…

永島慎二さんのこと

ダンさんこと永島慎二が亡くなったとの新聞記事を読む。 体調がよくないという話はあったので、心配をしていたが、 やはりこの「銀河鉄道の夜」が遺作になってしまった。 一度だけサイン会でひとことふたこと話をしたことがある。 ずっと悩める人だったのだ…

沢木耕太郎「シネマと書店とスタジアム」

「シネマと書店とスタジアム」は、沢木耕太郎の全集の 収録作品が入り乱れたため、どうしようか迷ってたところ、 文庫化されて購入。 「冠」の時にも思ったことだが、沢木は熟成させて原稿を 書くタイプの作家だなと思う。映画評は観てみたいと思わせる もの…

真保裕一「盗聴」

真保裕一の短編集「盗聴」を読了。 はずれる心配のない、ねっころがって読む本として最高。

林望「リンボウ先生イギリスへ帰る」

映画「みんなのいえ」の中で、玄関ドアは外開きか内開きかという 議論があって、これはどこかで読んだなんと思いながら、 この本を再度手に取ったら、開けドア!というエッセイ。 しかしこれではない、どこで読んだのだろうか。

「真珠の耳飾りの少女」

ようやくレンタルで観た「真珠の耳飾りの少女」は フェルメールのデルフトを舞台にした、 すべてイマジネーションで作り上げた物語。 いまのデルフトで撮影したのだろうか、いかにも あの当時はこんなだったのかと思わせる。 スカーレット・ヨハンソンは有名…

重松清「日曜日の夕刊」

この作家には、読めばきっと面白いにちがいないと思っていたので、 近寄らないようにしていたが、とうとう手にとってしまった。 後藤を待ちながら、卒業ホームランは泣ける。 いかにも琴線に触れる話は困ったものだ。