サリンジャー「フラニーとズーイ」

フラニーとズーイ (新潮文庫)
村上春樹翻訳の新作が文庫版ででたので買
ってはいたのだがなかなか手が出なくてそ
のままにしていたのだが、出張のお伴に持
っていく本がなくて、やむなくようやく読
むことになった。でも仕事に同伴する本で
はなかったな。
ちょっとあいまいな記憶だが19才のとき
野崎孝訳で読んではいるはずで、なんだ
かというか実はまったくわからなかったの
と、そもそも落ち込んでいた時期に読んだ
のでさらに落ち込んだという記憶。
さて、40年も過ぎて改めて新訳で読んだ
のだが、かわらずなんなんだと。高い知性
の兄妹が俗物的なものを嫌悪しイノセント
な宗教的ななにかにすがろうとするなかで
の格闘の話なんだろうと思うが、ラストシ
ーンで太ったおばさんじゃない人間なんて
いない、そしてそれは実は誰なのかという
くだりはグッとくるのではあるが、でもそ
れを云うためにあれだけわけのわからない
ことを云わなきゃいけないのかと思ってし
まうのであった。