聖徳太子から奈良時代に仏教はあり、そこ
へ天最真空と覚えた天台宗と真言宗ができ
て、その真言宗の空海が弘法さんとか云わ
れて庶民信仰になったのはなんなのか、漠
然と不思議に思っていたが、ようやく司馬
遼太郎の上下巻を読んで、こういう人だっ
たかと輪郭線をつかんだ。
この本は小説でもなく伝記でもなく、ちょ
っと不思議な語り口で、でも文献や仏教書
を読み込んだ博覧強記は、空海よりも司馬
に感心する。
なんやかやと1カ月もかかって苦労してよ
うやく読んで安堵した。でも高野山のこと、
空海の書、まだまだ知らない風景はさらに
広がっている。