鑑賞

映画「シング・ストリート 未来へのうた」

2016年アイルランド映画。 「はじまりのうた」のジョン・カーニー 監督、主演は「コーダあいのうた」のフ ェルディア・ウォルシュ=ピーロ。兄の ジャック・レイナーがいい、もっとエピ ソードが膨らんでもよい、姉も同様。楽 器がどれもできる友人がな…

メナード美術館「歳時記 花ひらく春」展

雨の日曜なので、ひさしぶりにメナード 美術館へ、なんと1年半ぶりくらい。 花ひらく春と題した所蔵企画展、新年ら しい春の慶びの絵が気持ちを明るくさせ てくれる。 同時開催の小特集「小さな作品たち」と いう展示があった。ジャコメッティ彫刻 やド・ス…

映画「ミセス・ハリス、パリへ行く」

2022年イギリス映画。監督も主演女 優レスリー・マンビルも知らない人で、 イザベル・ユペールしか知らなかった。 ハッピー夢物語ではある。ハリスさんは しっかりした家政婦ででも天然というか おおらかというか一途というか、大事な ところで前に出る…

妻夫木聡「ある男」

平野啓一郎の「ある男」は読んだのだが、 その映画化、2022年石川慶監督作品。 重厚な中身の詰まった平野啓一郎の小説 を映画にするのは大変だと思うが、さす が重くどっしりした映画となっていた。 親子、夫婦の関係を突きつめていくとや はり別人とな…

レオナルド・ディカプリオ「J・エドガー」

2011年アメリカ映画、クリント・イース トウッド監督作品なんだけど、ここはデ ィカプリオの映画としておく。ディカプ リオはいかにもやる気満々、イーストウ ッドの演出なのかもしれないけどそこま で露悪的にやらなくてもよかったのに。 ジョン・エドガー…

タン・ウェイ「別れる決心」

2022年韓国映画。 「JSA」で見たパク・チャヌク監督の 最新作らしい。 刑事が被疑者に恋をしてしまうというか ら高村薫の「照柿」を思い浮かべてしま ったが、被疑者タン・ウェイはなかなか したたかで謎の女性である。 2人が魅かれあうのがサスペン…

坂本龍一「12」

スケッチのような12曲の遺作。 ひとりでなにかしながら静かな部屋で、 いろんな音も聞こえる家族がいるような 部屋で、まずはイージーリスニングとし て聴く。 ふと耳をすます。 12(CD) アーティスト:坂本龍一 avex trax Amazon

トム・ハンクス「オットーという男」

2022年アメリカ映画。 スウェーデン映画「幸せなひとりぼっち」 のアメリカリメイクである、ハリウッド はどこからももってきてリメイクしてや っぱりアメリカテイストにしてしまう。 スウェーデン映画ではもっと硬い印象だ ったが、こちらはトム・ハン…

映画「丘の上の本屋さん」

2023年イタリア映画。 イタリアの田舎の小さな古書店のオーナ ー店長と移民の少年との交流を描いて心 温まる。情報なしで見たので少年が本を 借りることでトラブルに巻き込まれると か心配だったが、ストレートにすこしづ つむつかしい本を借りて読むこ…

ソン・ガンホ「JSA」

2000年韓国映画だけど、そもそも韓 国映画をほとんど見ていない。スターの イ・ビョンホンもイ・ヨンエも、監督の パク・チャヌクもわからない、でもソン・ ガンホは知っている。 そしてソン・ガンホの映画だった。とて もシリアスな話なのにソン・ガン…

高島屋画廊「細見美術館の名品展」

京都の細見美術館へは行ったことがない。 名駅の百貨店でその名品展をやっていた のでついでながら観てきた。 副題が琳派、若冲、ときめきの日本美術 というのだが、さすがに琳派は大流行な ので混雑していた。 北斎の肉筆浮世絵とか本阿弥光悦の書と 俵屋宗…

アニメ映画「四畳半タイムマシンブルース」

中村佑介キャラクターデザインの2022 年アニメ映画。森見登美彦が上田誠とコ ラボした小説は読んでいたが、映画化さ れていたのは知らなかった。 そうか、アニメはアニメでおもしろいと ころもあるが、やっぱり舞台が一番だな。 コラボはよくできている、そ…

小津安二郎「小早川家の秋」

1961年松竹でなく東宝映画。 小津の戦後作品15作の内、12本目。 うまくまとめられている、むだのないよ くできた作品。 東宝スター総出演らしい、だから森繁が いる、ちょっと変な感じ、杉村春子はい つもとんでもなくうまいけど薬味みたい なものか…

インド映画「RRR」

2022年インド映画。 ほとんど見ていないインド映画、「ムト ゥ・踊るマハラジャ」「きっとうまくい く」「タイガー伝説のスパイ」くらいか。 これは超アクション映画である、1920年 頃のイギリスに統治され抑圧されている インドの独立反乱の実在の指導…

ジム・ジャームッシュ「ダウン・バイ・ロー」

1986年アメリカ・ドイツ映画。 ジム・ジャームッシュは4本目か、「パ ターソン」がとてもよくて、ほかのもな んて言えばわからない後を引くおかしな 映画なのだが、これもまたそんな映画だ。 なんなんだこれは、主演のトム・ウェイ ツを知らないし、と…

ケイト・ブランシェット「TAR/ター」

2022年アメリカ映画。 ケイト・ブランシェットが各賞総なめの 作品。先入観なしで、これは「ブルー・ ジャスミン」と同じ感じじゃないかと思 っていたらサスペンスというかホラーと いうか。 権力を持つと、それを行使したがる人と、 おおらかになる人が…

周防正行「舞妓はレディ」

2014年周防正行監督作品。 まるで知りませんでした。上白石萌音映 画初出演とのこと、もう10年近く前の デビューなのか、最近どこでも見かける 何者なのかと思っていたが。 周防監督は寡作なのでいくらか気にはと めていたが最近はとんとご無沙汰。 (…

宮崎あおい「好きだ、」

2005年、石川寛監督作品。 17才の宮崎あおいと瑛太、大人になっ て再会34才の永作博美と西島秀俊の想 い。 寡黙な映画、彼らはあまりしゃべらない、 ほとんど話さない、映画館ならいけるけ ど、家のテレビで見るのはつらい。奇妙 な映画だと思い、調…

小林愛実ピアノリサイタル大垣

ショパンコンクールで4位入賞したとき も気に留めなかった、派手な反田恭平に 目が行っていた。ところがyoutubeにコ ンクールの演奏がアップされているのを 知って3次予選のショパン24の前奏曲 を聴いてみて驚いた、特に15番雨だれ のプレリュードを聴…

R・ゼメキス「ポーラー・エキスプレス」

2004年アメリカ映画。 村上春樹の翻訳「急行北極号」の映画化 なので見てみた(読んでないけど)。 CGアニメというのだろうか精密なのは確 か、でもお国柄というか文化の違いなの だ、子供たちがリアル。日本のカワイイ に洗脳されているわたしがいる。 …

リチャード・ギア「キング・オブ・マンハッタン -危険な賭け-」

2012年アメリカ映画。機関投資家で 財を成したリチャード・ギアが事故を起 こし同乗の不倫相手を死なせてしまうの をもみ消す物語。機関投資会社もトラブ ルを抱えておりそれどころでないところ に加えての隠蔽工作なのだが、警察検察 がお粗末な証拠偽…

ハリソン・フォード「42ー世界を変えた男ー」

2013年アメリカ映画。 ジャッキー・ロビンソンの伝記映画。人 種差別を超えていく、克服していく物語 だがもっと描けないような差別もあった のだろう。ジャッキー・ロビンソンがそ れを耐え、尊敬と称賛を勝ち得ていくの だが、そういういい人だったか…

サリー・ホーキンス「シェイプ・オブ・ウォーター」

2017年アメリカ映画、アカデミー作 品賞受賞作品。 気にはなっていたがようやく見た。いっ てみれば半魚人との恋、でも緻密な設定 が見事。主人公のサリー・ホーキンスは 耳は聞こえるが話せない、社会の底辺で 夜間の掃除人として働いている。そこで 半…

原田マハ「リボルバー」

ひさしぶりの原田マハ、ゴッホとゴーギ ャンの物語。ゴッホが自殺するときに使 用したとされるリボルバーがオークショ ンに出てきたということからヒントを得 て虚実混ぜて物語を組み立てていく。 作家というのはやはり想像力だなと思う、 面白かったですと…

ジャン・ギャバン「地下室のメロディー」

1963年フランス映画。 見たことがあると思っていたが初見の映 画だった、ラストシーンを見ても思い出 せなかったのだから。 老獪のジャン・ギャバンと若僧のアラン・ ドロンの組み合わせ、単純だけどなかな かスリリングな展開、モダンジャズスタ イリッ…

小津安二郎「早春」

1956年作品。 小津マイブームがやってきたところに、 最近なにかと話題になっているなと思っ たら小津生誕120年だそうな。 何本目か、「早春」 男性社会の男性目線の映画である、ラス トで池部良が謝るのだが、そこで淡島千 景もわたしも悪かったわと…

クリント・イーストウッド「クライ・マッチョ」

2021年クリント・イーストウッド 91才の監督作品。 しかも主演、さすがに動きも声も老人、 あたりまえであるが、それが監督主演な のである、しかも恋をするのである。 チキンがマッチョであるとの面白さもあ り、いささかご都合主義ではあるが、安 心…

ウィリアム・ハート「愛は静けさの中に」

1986年アメリカ映画。 当時話題になって知っていたがようやく 見たという感じ。ウィリアム・ハートの 映画だと思っていたが、マーリー・マト リンの映画だった。 どうしても男が女を守る、しかも弱者の 女を守る形になっている、そこがひっか かったのは…

吉田大八「騙し絵の牙」

吉田大八の2021年映画。 吉田大八監督なので期待しましたが、主 演が先に決まっている映画は、わたしの 好みではありませんでした。 騙し絵の牙 大泉洋 Amazon

ヘレナ・ボナム=カーター「鳩の翼」

1997年アメリカ、イギリス映画。 「ねじの回転」で有名な(読んでない) ヘンリー・ジェイムズの「鳩の翼」の 映画化。文学的なあまりに文学的な映 画でした。好きなヘレナ・ボナム=カ ーターはこういう映画が似合う、「眺 めのいい部屋」「ハワーズ・エン…