辻原登「村の名前」

辻原登芥川賞受賞作、ようやく読んだ。

我が市に2つあった図書館の片方が閉鎖

になり、もう一方に引き取らない図書を

市民に無料配布するというので貰いに行

ってきた。

目当ては美術関係、豪華本だったが新し

いものがあまりなくてふらふらしていた

辻原登の昔の本を見つけたので貰って

きたという経緯。

さて「村の名前」、題名がいかにも読ん

でみようかというものではない、でも読

みはじめるとこれはマジックリアリズム

なのか、中国の山奥の桃源郷伝説の桃花

源村にビジネスのために赴いた男の現実

か幻か境界のはっきりしない物語。

でもその妖しさ、不穏さに惹きこまれて

いく。辻原は最初からこういう物語を書

くのかと嬉しかった。

でも本にはデビュー作の「犬かけて」と

いう話も載っていたがこちらも妖しいの

だがわたしの好みではありませんでした。