もう昔に出たような古い本は書店には置い
てないけど、まれにamazonに入手したの
を見つけることがあり、ようやく文庫上下
を購入できた。ちょっと簡単には説明でき
ない壮大な大河ドラマである。
江戸時代の日本と朝鮮との交易はうっすら
とは知っていたが鎖国をした中での状況は
習うこともなかった。朝鮮通信使という外
交使節が将軍の代替わりごとに朝鮮国王か
らの親書を携え江戸を訪れるということも
知らなかった。
それに絡んでの対馬藩の武士の波乱の人生
である、見事に書き切ったと堪能した、数
日間の豊かな読書時間だった。
辻原の作品では史実を織り交ぜ奥行きをあ
たえている手法がよくみられるが、ここで
も新井白石らを登場させ物語を膨らませて
いる。