辻原登「花はさくら木」

実在した人物を登場させ豪華な物語をつく

る、辻原のひとつの芸であるのだが、ここ

でも田沼意次を魅力的な経済通の改革家と

して大きな物語の中心に置き、当時の大阪

を中心とした商売の様子と文楽等の文化、

食文化等盛り沢山である。特に内親王のお

忍び大阪巡りはローマの休日のもじりであ

り読んでいて楽しかった。

とにかく面白かった。

ところでアマゾンにも図書館にも在庫がな

く、図書館には大活字本ならあったので借

りたのだが、弱視とか高齢者用なので文字

が大きく、すごく大きく、かつ行間も大き

いのでスカスカのようで読みにくかった。

無意識に内容も薄いような感覚となり、普

通の単行本なり文庫本のフォントや配列は

よく考えられているのだなとあらためて感

心した。

花はさくら木 (朝日文庫)

花はさくら木 (朝日文庫)

  • 作者:辻原 登
  • 発売日: 2009/09/04
  • メディア: 文庫