実在した人物を登場させ豪華な物語をつく
る、辻原のひとつの芸であるのだが、ここ
でも田沼意次を魅力的な経済通の改革家と
して大きな物語の中心に置き、当時の大阪
を中心とした商売の様子と文楽等の文化、
食文化等盛り沢山である。特に内親王のお
忍び大阪巡りはローマの休日のもじりであ
り読んでいて楽しかった。
とにかく面白かった。
ところでアマゾンにも図書館にも在庫がな
く、図書館には大活字本ならあったので借
りたのだが、弱視とか高齢者用なので文字
が大きく、すごく大きく、かつ行間も大き
いのでスカスカのようで読みにくかった。
無意識に内容も薄いような感覚となり、普
通の単行本なり文庫本のフォントや配列は
よく考えられているのだなとあらためて感
心した。