哲学や思想や評論はむつかしくて読めない
が、そういうある分野で成した人のエッセ
イを読むのはなかなか楽しい。鶴見俊輔、
吉本隆明、それに建築家のエッセイも好き
だ。評論家の加藤典洋の最後のエッセイと
いうので読んでみた。なかなか含蓄のある
ことを云っている。
「自分は何も知らないと感じられる瞬間を
もてる人は幸運である。自分が小さく感じ
られるが、それは世界を大きく受け取る機
会でもあるからだ。」
「ふつう生活している場所のほかにもうひ
とつ違う感情で過ごす場所をもつこと。自
分のなかの感情の対流、対称の場を生み考
えるということ可能にする。」
父との確執の文章は読ませた、考えさせら
れた。社会的というより文学的にというあ
たりも共鳴した。
ちいさな本だけどいいものを読んだ。