加藤典洋「9条入門」

 内田樹が衝撃を受けたというので9条入

門という本を読んだ。断片的に知っていた

経緯と変遷を整理、確認し今の改憲護憲の

背景を見直すべく読んだ。権力の誇示と争

いに翻弄された新憲法とその解釈はさてお

き、最もそうなのかと突き刺さったのは、

戦中の熱狂と戦後すぐの9条の理念の熱狂

は通じるものがあるというくだり。その理

想主義は空虚を満たすものだということ。

護憲が持つ弱点はここにもあるのだなあと

思う、現代の社会状況のなかでお飾りでな

く現実にどう生かしていくのかという道標

みたいなものがいると思う。

9条入門 (「戦後再発見」双書8)

9条入門 (「戦後再発見」双書8)