読み直す高村薫「照柿」(上)(下)

照柿〈上〉 (新潮文庫)
照柿〈下〉 (新潮文庫)
8月9日に読み直す高村薫マークスの山
について書いたが、今度は「照柿」。以前に
講談社の単行本で読み、今回読み直したのは
新潮文庫版。
熱処理工場と東京大阪の酷暑を舞台に合田雄
一郎と幼なじみが堕ちていく。
出張の新幹線で読み始め、ホテルに入って続
きを読んで、帰りの新幹線で残り少しまで、
結局地下鉄にまで持ち越して読了、頭一杯、
圧倒的な読了感。やあやあこんな話だったな
あと思い出しつつ、合田の堕ち方は尋常でな
く、なぜそこまで一目惚れの美保子に堕ち、
賭け事に堕ちるのか。読後感は圧倒的なやら
れた感があり、合田もさることながら美保子
のつかまえようのない存在にもやられた。
さあ、次はイチオシの「レディ・ジョーカー
だ。