2016年、中国・オランダ映画。
中国の深圳の大芬(ダーフェン)という街
は世界シェア5割を超える複製画制作の
街なのだそうだ。美術館のお土産コーナ
ーで油絵のような立体感のある複製画が
売られていることがあるが、そういうも
のを作っているところがある、そうなん
だな。しかもこのドキュメンタリでの請
け負っている家族零細会社の大量の複製
画はオランダの美術館の外の道端にある
適当な土産物屋で売っている。
主人公の絵描き職人ははじめてアムステ
ルダムへ行き(この映画撮影のためだろ
うが)その事実にがっかりする、しかも
1割くらいの工賃であることに。
それでも彼ははじめて本物のゴッホを見
る、職人は職人なりにゴッホを研究し、
複製画を作っており(それでもわずかな
個性がでる)、本物を見ることで圧倒さ
れる。
そしてオリジナリティということを考え
る。生活のために複製画を作ることは問
題ない(贋作ではない)、でもゴッホが
求めたように自分の絵を描きたいと思う。
そうなのだ、そういう方向へ行くだろう
なと予想したが、やっぱりそうなのだ。
自分を表現したい。
思わぬドキュメンタリ映画を見せてもら
った。