武田徹「神と人と言葉と 評伝・立花隆」

立花隆の評伝である。哲学や先端学問の

ところはまるでわからないので流し読み

しながらぐいぐい読んだ。

立花隆のことはいろんな本でおよそ知っ

ていたが、評伝であるからには負の部分、

誤解曲解、間違いの指摘がきちんとされ

ていることが重要。私生活の無理、よく

も悪くも人間味、これらも必要、根底に

キリスト教のことがあることも予想以上

だった。別に完璧な人とは思っていない、

余りある知的好奇心に人生が追い付いて

いない、時間が足りない、あれもこれも

の人だった。

お兄さんのことは知らなかった。朝日の

偉い人だったがいわゆる普通の人だった

ように読める。やはり立花隆は巨人だっ

た、瑕疵や矛盾一杯を抱えたまま巨人だ

った。最期に想う人とあの世で会いまし

ょうとは矛盾以外のなにものでもない。

面白かったぞ。