エリザベス・テイラーの「若草物語」をテ
レビで見て、シアーシャ・ローナンの「ス
トーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草
物語」を映画館で観て、とうとう原作を読
む。光文社古典文庫の新訳である。
前者の映画はほぼ原作どおり、四姉妹の個
性がうまくあらわされており、読者は、き
っと小中学生の少女読者はこの誰かに自分
を投影させて読むのだろうなと想像する。
そして多くの少女はジョーだろうと思うし、
この60代のわたしもジョーである。ジョー
はジョセフィーヌといって、それがいやな
のでジョーと呼ばせていることも出てくる。
たしかにピューリタンというかプロテスタ
ントの家父長的な家族の質素な暮らし(わ
たしの子供の時と比べればとても富裕だが)
が教訓的に語られるが、その時代を思えば
それも牧歌的でやむをえないことだろう。
その中でジョーはいかにもアメカ的な進取
の精神に富み女性の立場を一歩進めたとい
える。なんてことも思わずとも、この四人
姉妹のお話はとても魅力的だといまさらな
がら認める。少年の小説にこういうのはあ
るかな。