ルボという伝説の女優をはじめて見た。デ
ートリッヒにすこし似てるとの第一印象、
パリに打ち解けていくうちに徐々に固い表
情は和らいでいくのだがほんとの美しさは
ここではわからない。
いてスパイの話と勝手に思っていたらコメ
ディだった。しかも直球のプロパガンダ映
刺し笑わせる、でもそれはある種の怖れの
裏返しのようでもある。求婚するフランス
伯爵の軽薄さ(英語で話すのでアメリカと
同じ)でいくらかバランスをとりながら不
自由さ、密告、圧力等の滑稽さをあらわし
ている。まさにそのとおり、でも日本の無
意識の同調圧力、匿名批判も同根であるこ
とをあまりわかっていないと思う。
あの頃の時代の空気をよくあらわしてる映
画として記録されていくのだろう。