村上春樹「アンダーグラウンド」

コロナ禍で今年は大作をいくつか読もうと

思っていた。漱石読破は手付かず、カラマ

ーゾフは読了、予定外の三体を読了、そし

村上春樹の未読であった地下鉄サリン

2作品は片方だけようやく読んだ、ずいぶ

ん時間がかかった。

テレビを見てないので全貌を知らなかった

が、死者何名重傷者何名という数字ではな

く被害者ひとりひとりの声を書き留めると

いう作業はたいへんだったと思う。村上春

樹の気持ちが交差する深く入り込むところ

がありそこはすこし違和感をもったが、概

して節度を持って記録されている、テレビ

報道や週刊誌とは大違いだと思う、きっと。

被害者となる会社員たちはそんな状況でも

ほとんど会社へ行こうとする、その律義さ

にほとほと感心する、社会はこうして成り

立っているのだなとつくづく納得する。

もう一冊の方は読むだろうか、未定。