「映画夜空はいつでも最高密度の青色だ」

キネ旬2017年ベストワンだというから見て

みた。最果タヒの「夜空はいつでも最高密

度の青色だ」という詩集を原作にした映画

らしいので、セリフが詩なんだろう。読ん

でいない。だからそこから物語を探しては

いけない。

男も女もコミュニケーションをとらず、相

手を受け入れようとせず、それでもすこし

づつ近づいていく。家族の抱えるあれこれ、

死を身近に置く日々、携帯費9000円の貧困、

わたしは感受性がなくなってきているのだ

ろうか、いまのわたしには共感はない。

「そこまで走って行ってみる」

「おはようって云おう」

そんな言葉で静かな共感を得る、希望を語

る映画ではない、それでも寄り添えない現

代の映画なんだろう。そこにベストワンの

価値を置くなと思うんだけどね。

原田美枝子の娘、石橋静河は表情を作らせ

てもらえなくてむつかしかっただろう。

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