見たことがないパゾリーニの映画。その代
表作ともいえる「奇跡の丘」、イエスの生
涯を福音書に忠実になぞっていく。役者で
なく素人を使い斬新なカメラワークと演出、
多くを語らず。キリストは穏やかで慈愛に
みちたということなく厳しくアジテーター
のよう。受胎告知のなんともいえぬ表情
(無表情)、キリストの磔の慟哭、復活の
歓喜とマリアの表情がすばらしい。そうい
えばゴルゴダの丘までキリストは十字架を
担いでいかなかった。
当時は斬新だったろうがいまならオーソド
ックスでもあるかな、音楽の力もあったな。