辻原登の2冊目、新刊を図書館で借りて読
んだ。そうなのか、時事と社会風俗を織り
込んで物語を作っていく作家なのか。蘊蓄
や文学映画その他あらゆる知識を披露して
それはおもしろい、おもしろい。
広告業界人の富裕でハイソな主人公とそれ
につながる人々が並列にというか順々に話
を動かしていきそれが絡み合っていく。ま
あ金持ちの道楽みたいなことが空ろでもあ
り崩壊していく、別に批判的に崩壊してい
くわけではない。ぐいぐい一気に読んでし
まった。でもこれが辻原登のメインストリ
ートなんだろうか。読んではないが谷崎潤
一郎の「卍」をリスペクトしての話だと思
う、それも読んでみよう。