大江健三郎「懐かしき年への手紙」

大江の「燃えあがる緑の木」三部作を読ん

で、100分de名著がはじまって、ちょっと

大江にはまってきて、彼の悪文もその文章

のリズムにもすこし慣れてきた。

たぶん今を逃すともう読むことはないだろ

うなと次の本を読んだ、読み終えた。

「燃えあがる緑の木」でさきのギー兄さん

と呼んでいた、ギー兄さんの物語である

「懐かしき年への手紙」である、本棚から

引っぱりだしてきて読んだ。

これはちょうど大江の自叙伝的内容を含み

大江の師というか兄貴というかギー兄さん

の谷間の森での波乱の人生と死の物語、ダ

ンテの神曲と絡み合いながら(わたしには

まったくわかりません)重厚に物語る。

1987年に新潮社の純文学書下ろし作品とし

て上梓され、わたしは買って読んだのだけ

れどそれが読んだ大江の最後の作品だった。

その後全集が出たので持っていない小説の

入った巻だけ買ってはいたがもう読むこと

はなかった。

不思議な縁だなと思う、伊集院光によって

小野正嗣によってもういちど大江を読むこ

とになろうとは。

懐かしい年への手紙