津野海太郎「百歳までの読書術」

大江健三郎を読破するため、並行して軽め

の本を読んでいる、そうしないと煮詰まっ

てしまいそうだから。

この本の中で2つの断片。

1.幸田露伴の考えに津野海太郎がそのと

おりと思ったこと。それは大量の本ときに

は映画、音楽までやたらと手を拡げる。そ

れらがお互いに引き合う。そして時いたる

と一瞬にしてそれらがひとつにつながる。

そう、そうなんだね。

2.クッツェーという作家が書いている。

おおくの老人たちが日々、大小の「記憶の

裏切り」とつきあいながら生きている。

長い時間をかけて変造された記憶と実際と

の落差をたのしむってことか、そうか。

津野海太郎は定期購読していた「季刊本と

コンピュータ」の編集長として知っていた。

本がコンピュータがでてきてどうなってい

くのかを研究する雑誌で面白かった。でも

もっと広く深い好奇心、探究心のある編集

者、文筆家として、そのエッセイはおもし

ろく好奇心をくすぐってくれる。

百歳までの読書術