鷲田清一「しんがりの思想」

しんがりの思想 ―反リーダーシップ論― (角川新書)
大阪大学総長の震災後の卒業式での挨拶
にとても感心したことがあり(2011年4月
9日のブログ参照)、この哲学者の名前を
覚えた。なかなかむつかしそうな本をいく
つも出していることも知っていたが、反リ
ーダーシップ論としてのしんがりの役割を
説いたこの新書を知ってようやく読んだ。
しんがりの意味はそのとおりだねと思うし、
そういえば以前、内田樹が映画七人の侍
七人の役割分担について書かれたものを読
んでいたく感心したことを思い出す。個性
のある、短所もあるそれぞれにそれぞれの
役割があるのだということは心強いもので
ある。そして退却時や衰退時にしんがり
務めることは、誰にも喜ばれない役割だけ
れど重要なことだと理解する。
また、リベラルの名詞がリベラリティ(lberality)
で、寛容を意味することを知ったことも収
穫だったし、こんなところで稲垣えみ子さ
んのコラムが引用されているのもうれしか
った。
じゃあ、私はこれからどうするのかという
のは私の宿題。