2005-01-01から1年間の記事一覧

尾辻克彦「父が消えた」

赤瀬川原平が別名で芥川賞を受賞したことは知っていたけど、 当時は、関心がありませんでした。 その後、赤瀬川原平に関心が行き、それで彼の文学作品も 読んでみたいと思ったのですが、品切れ。 今回、河出文庫から再販されて、ようやく読むことができた。 …

下重暁子「ふたり暮らしを楽しむ」

副題が不良老年のすすめで、結局は背中シャキッとして行こう というエッセイ。夫婦ふたりであろうが、ひとりであろうが 同じことだと思う。いや、今の時点でだってということでしょうね。

国立国際美術館「ゴッホ展」

国立国際美術館のゴッホ展を観ました。 平日なのに多くの来館者で、やはり人気が高いのだと感心。

「スウィング・ガールズ」

話題だったスウィング・ガールズをレンタルでようやく観ました。 ブラバン出身者としては、興味がありました。 が、 徐々に上手になっていく喜びが描かれていない、 高校生の機微が描かれていない、 という点で、こういうのって本当に楽しいねということが …

椎名誠「かえっていく場所」

久しぶりに椎名本を。 はなればなれになっている家族が集まる。 そういう時間があれば、それはやはり意味があることなのだ。

風の教会

安藤忠雄の風の教会を観てきました。 六甲山の六甲オリエンタルホテルにある教会、運良く結婚式が終わったところの、 入口が空いたままで、見学の許可をもらって中まで見られました。 安藤忠雄はデザイナーですね、かっこよすぎる教会内の材質感と光と影の演…

篠田節子「女たちのジハード」

深夜の弁当工場の話と思っていたら、まったく違う、勘違い、別の本であった。 「負け犬」の働く女たちの、まさにジハード。 男たちが持つ会社での労苦とはまったく違う障壁、特にキャリアでない 普通の女性社員(OLと呼ぶな、なぜOLなのか、社員じゃない…

安野光雅「絵のある人生」

絵本作家、イラストレーター、デザイナーとして有名な安野光雅は、 やはり画家なのだ。 彼の経験から絵画というものを熱く語るのを読むのは楽しい。 何度でも云うが、水彩画を1枚ほしいな。

サントリーミュージアム天保山「レイモン・サヴィニャック展」

サントリーミュージアム天保山へレイモン・サヴィニャック展を観に行った。 まったく名前を知らなかったデザイナーであったが、とてもセンスがよい ポスターと、いま一歩のものがはっきりしている。フランスでの感性と 日本とは少し違うのかもしれ ない。 個…

堀江敏幸「いつか王子駅で」

名品と噂には聞いていたがようやく手に取る。 うーん、こういう話か。ストーリーではない。 全体を通して静謐、淡白な日常のひとつひとつが光を放つ。 心の「のりしろ」、余白を取ってそこに糊をきちんと塗らなければ形が整わない、 最後には隠れてしまう部…

安野光雅「村の広場」

どうしてこんなことをこんなに思いつくのだろう。 こういう数学的というか論理的な遊びは本当に楽しい。 円周率を3とするという教育についてのコメントは きわめて論理的である。

警句

強いボクサーは喧嘩に負ける。

吉本隆明「悪人正機」

吉本隆明「悪人正機」を読了。糸井重里が対談のように もっと突っ込んでいく様子を読みたかった。 自己評価より低い仕事をやりなさいというのは、もっていた考えと 逆だったので、なるほどと思う。

高島屋画廊「三岸節子展」

四天王寺から清水坂を抜けてでんでんタウン、難波まで散策。 三岸節子展を高島屋で、生誕100年記念とのこと。 ヨーロッパの風景画が大胆な構図と色彩でみごと、今後もっと 絵画も生き方も評価されるであろう。 愛知県尾西市にあった美術館は、合併して一…

宮本輝「焚火の終わり」

これはめずらしく、いまひとつ気持ちがはいっていけなかった。 ブックオフで単行本上下美本210円では文句はいえない。

兵庫県立美術館「ドレスデン国立美術館展」

観てきました。 日曜なので混んでいるかと思いきや、フェルメールを独占して観ることができました。 「窓辺で手紙を読む女」は窓ガラスに映る女性の表情までよく見えて、感心しました。 レンブラントのエッチングもいいなあ。 欲しいなあ。 天気はいいし、海…

沢木耕太郎「冠」

普通は原稿を書き上げてから掲載している作者が、今回は、掲載されること を前提に原稿を書いている。人気作家であればどちらにしても掲載されるの は決まっているのでどちらも同じようだが、やはり練られた作品という印象 を受けない。 あくまで観戦記だ。 …

夏目漱石「こころ」

3冊目だ。 中学生のときの読んだのだが、武者小路の友情と 話がだぶって記憶しており、こんな話だったかと驚く。 明治の知識人の近代における苦悩として、現代にあふれる利己心と いうものを深く思索する。 まったくもって漱石は現代文学だ。

村上モトクラシ

村上春樹の作品とエッセイ周辺の落差はきっと戦略なのだろう。 今回は村上モトクラシといういままでとちがう切り口で。 「arne」での自宅紹介といい、想定外の展開ですね。楽しみができた。

自治会の花見は、先週の日曜が雨で延期、明日の日曜が雨予想で結局中止。 静かに見てきました。 葉のない花だけで満開だから桜は美しいといわれる。 毎年、待ち望まれて、それに応えるように日本を縦断していくのは、桜の特権か。

警句

ここじゃないもっとどこかへと吉田拓郎は「遥かなる」という曲で歌ったけど、 ある高校生の言葉に、 「ここでないどこか」を探すのではなく「ここでなにか」を探す、と。

宮脇壇「それでも建てたい家」

もう、家を建てられるなんてことはないと思うが、 志のある建築家はしっかり勉強していることがわかる。 しかも建築だけでなく。 先日亡くなった丹下健三も偉大だったという記事ばかり。 やっぱり勉強なのだ。

ニコラス・ケイジ「ナショナル・トレジャー」

ニコラス・ケイジ主演を観に行く。 昔、1ドル札のピラミッドの目玉男は、秘密めいたなにかがあるという 記事を読んだことがあり、そういった探求と独立宣言との歴史ミステリーかと 思っていた。ところが、はじまってデイズニー・・・とクレジットが出て、し…

今、買わなきゃ本のリスト

どれも2000円以上で、本は高いとは云いたくはないけれど、 またこんど来た時にと思ってしまう。 池澤夏樹「静かな大地」2415円 辻井喬「父の肖像」2730円 辻井喬「沈める城」(と、いってるうちに在庫がない模様、文庫にもならず) 沢木耕太郎「冠」「杯」33…

星野知子「パリと七つの美術館」

モロー美術館へ行ってみたい。

田口久美子「書店風雲録」

私は書店観光を趣味のひとつにしています。 あの頃、リブロは衝撃的でした。 そんなリブロのはじまりから終焉までを書店員としてかかわった作者の記録。 ここでも堤清二の理想と挫折が投影されているのだなと感慨深い。

恩田陸「球形の季節」

この時期にこの場所で、雪が降るなんて。 若者が好きなモダンホラーなのか、 前半はノスタルジックに地方の高校生活が描かれるが、 後半はなんだかなあ。ファンタジーなんだろうなあ。 「夜のピクニック」がよかっただけになあ。

劇場中継「櫻の園」

中原俊監督の「櫻の園」にはまり、吉田秋生の原作「櫻の園」を読み、 チェーホフの舞台を観てみたいとずっと思ってきたが、ようやくテレビの 劇場中継で観られた。しかも続けて2本である。 1本目は、蜷川幸雄の「櫻の園」(麻実れい主演)であり、2本目は…

和田誠シネマランド展

KPOキリンプラザ大阪へ和田誠シネマランド展へ出かける。 原画がなくちょっと安易な企画展で残念。しかし仕事場の写真がほぼ原寸で展示され、 和田誠の作ったオブジェが楽しそう。絵コンテもよかった。レストランのゆったり感と 窓からの道頓堀の眺めはよ…

日展

第36回日展を大阪市立美術館で観ました。 前に日展を観たのはいつだったろう。あの頃はすべての画家から選ばれた人の 展覧会と思っていたのですね。公募展というコンセプトではやはり魅力に欠ける というのが正直な感想です。この大阪会場は作品が少ないよ…