メナード美術館「追悼島田章三展」

島田章三画伯が亡くなり、長く関係があり、

コレクションも多数持つメナード美術館

所蔵作品により追悼展覧会を開催している

ので観に行った。島田章三という画家をは

じめて知ったのも、もう20数年前のこの

メナード美術館だった。そこで「はなかた

ちびと」という作品を観て、とても気に入

ってこの画家を知り、愛知芸大教授だとい

うことも知り、それからいろんなところで

作品を観るようになり、画廊に出入りする

ようになり、画集も集めるようになり、作

品を欲しいと思うようになり、いくらかコ

レクションをし、話を聞く機会もあり、私

の生活の大きな潤いとなった。

その後、学長となり、美術館長も受けて、

公的な仕事も増えて大変だったと思う。晩

年にもうひとつ大きく脱皮画風を変えるの

ではと期待していたのに惜しいことであった。

あらためて初期の作品からなんどか画風を

変えてきたのを観て、いろんなことに想い

を巡らせた。島田章三は生活の人だったと

思う、とくに奥様、島田鮎子画伯との生活

がその豊かさもたらしたように思う。

いいものを観せてもらった、とても気持ち

のよい展覧会だった。

 

島田章三 (日本代表作家選シリーズ)

島田章三 (日本代表作家選シリーズ)

 

 

色弱7:紹介3

そうだったか、昔はカラーの印刷物はほと

んどなかった。小学校の教科書はモノクロ

だったか、新聞もモノクロだった。カラー

コピーは贅沢だった、会社でカラーコピー

するときはノートに記載するルールだった。

スライドは、名前を忘れたが青地に白抜き

したものだった、テレビもモノクロだった。

ところがいまはカラーが溢れている。自由

にデザインに使われている。いままで自然

界の木や花の色や信号機や黒板のチョーク

くらいのことだったのに、識別しづらいも

のが多数現れるようになったということら

しい。そうなんだな。

この年令になっても、ばくぜんと見にくい

色があるのになにが見にくいのか明確に云

えない。それは昔はそれでなんとかなった

からだ、昔、赤緑色盲だと云うとじゃあ何

色に見えるのという質問にいつも言葉に詰

まった。赤は赤に見えるし、緑は緑に見え

るのだから、それ以上よく考えていなかっ

たし、それを私の中で追求する気持ちもな

かった。

ここへきて、勉強をして明確に云いたいと

思うようになった次第。何が見にくいのか、

ちょっとこうしたら見えるんだけどねと云

えるようになりたい。

水彩画講座2

講座の2回目、今回はきのこと落葉を持参し

て、それを観察して描く。べたっと塗らな

い、水分をたっぷりと、と学ぶ。そうかそ

ういう描き方があるのかと納得。色彩につ

いては好きなように描けばよいといつもの

回答、そうわかっているのだけど、見えて

いる色で描きたいというのはうまく伝わら

ないものなのか。

 

ウォルフガング・ペーターゼン「アウトブレイク」

昔、映画館の予告編で観て、これはスリリ

ングな映画で観たいと思った。あれから

20余年ようやくテレビで見た。ダスティ

ン・ホフマン以下豪華キャスト、アクショ

ン場面はいいからもっと丁寧にサスペンス

として描いてほしかった。もったいない、

政治スキャンダルもいらん。中世のペスト

黒死病のような何割もの人が亡くなる病

は想像がつかぬ。とはいいながらエンタメ

としてはおもしろかった、サザーランドは

悪役お疲れさまでした。

 

アウトブレイク (字幕版)

アウトブレイク (字幕版)

 

 

塩野七生「人びとのかたち」

塩野七生の映画評論というか映画感想、あ

るいは映画をとおして人間の在り方を語る。

彼女のマキュアベリや男たちへを読んだ時

と同じようにリアリズムに徹し、品格、存

在の確かさみたいなものを強く推す。まだ

まだ観なきゃなという映画は多い。

 

人びとのかたち(新潮文庫)

人びとのかたち(新潮文庫)

 

 

エリック・ロメール「緑の光線」

 1986年フランス映画、ヴェネチアの金

獅子賞受賞作品らしい。気難しく自意識が

高いいわゆる面倒な女性が夏のバカンスに

行く行かない、馴染めないの経験を経て心

を開く話、日没の緑の光を見ることでひと

つのきっかけとなるのはわかるが、結局男

と出会うことでしか解決しないというのも

どうかなあ。2、3週間の夏休暇があって、

お金がなくても知人の別荘や、バカンスに

出かけた後の家に宿泊し休暇を楽しむとい

う習慣はフランスならではなんだろう。一

方でうまくバカンスを計画できないさみし

さもわかる気がする。

 

 

 

ヨーロッパ企画「サマータイムマシン・ワンスモア」

2005-09-05に記載のとおり、わたしは

2005年にはじめてヨーロッパ企画

芝居を見た。難波の雑居ビルのインディ

ペンデントシアター2ndという100

数十名しか入れない小屋の前列2列目

のみかん箱の椅子でかぶりつきで観た。

それが「サマータイムマシン・ブルース

大学学生演劇の延長のようなノリで爆笑、

脚本のうまさ、伏線の回収、変身の速さ

に大いに気に入ったものだ。その後、何

作かは観に行って、ここしばらく離れて

いたが、今回ヨーロッパ企画20周年と

いうことで、本作と続編(ワンスモア)

を演るというので(名古屋は後者のみ)

観に行った。名駅のウィンクあいちの

数百人規模の中ホールだが、真ん中あ

たりの席だったので臨場感はのぞめな

かったが、インディペンデントが懐か

しい。

サマータイムマシン・ブルースのその

まま続編であり、同窓会的であり、お

約束ネタあり、とにかく笑った。タイ

ムマシンが3台も出てきて、話はとっ

ちらかってしまったが強引に回収され、

ブルースの時の衝撃さはないが、ある

種の安定感で十分に笑わせてもらった。

わたしが観てから13年、役者たちは変

わらず学生気分の雰囲気を漂わせつつ

もそれなりに老けており、時間の流れ

が沁みる、濃密な共有感をもらうこと

となった。よかったぞ。