サマー・タイムマシン・ブルース(演劇版)

インデペンデンスシアターという妖しげなホールの
前列2列目、椅子ではなく木箱に座布団という席で、
ヨーロッパ企画の「サマー・タイムマシン・ブルー
ス」を観る。こんな雰囲気の芝居を観るのは、彗星
86以来のことだ。
若者がふだんの言葉と発声で、部室を舞台にくりひ
ろげられるSFコメディ。それが、私の好きなタイ
ムマシンものなのでうれしい限り。なんといっても
演劇ならではの早変わりが楽しい。最後の方のロッ
カーに隠れて、すぐに着替えて扉から出てくるとこ
ろはうまい。理系劇団ともいわれているらしいが、
そのせいか下品さがなく、汚い格好なんだけど汚ら
しくない芝居であって、最近人気急騰中だというこ
とが納得できる。
あっという間のタイムマシンに乗ってしまったよう
な2時間であった。ただし、終了と同時に、客も面
白くて、あ終わっちゃった、と余韻に浸り、ハレの
世界にまだいるのに、すぐに映画の宣伝と物販の紹
介はないぞ。一回くらいカーテンコールがあっても
いいし、新しい客をつかみたいなら順に自己紹介挨
拶という手もあるぞ。
でも、一気に日常にもどすという演出だとしたら、
そういうのもありかな。