三浦しをん「ののはな通信」

名作との評価高い作品を読む。

書簡小説、宮本輝の「錦繍」パターンか。

横浜の名門ミッション女子高で恋愛関係

になるふたり、青く若い女の子の手紙の

やりとりがわたしにはしんどい、これが

傑作なのかと。吉田秋生の「櫻の園」は

好きなのだが、思いつめれば別れは必然、

まだ小説は始まったばかりなので、こう

いう話だけじゃないとほっとする。

お馬鹿青春ものは好きなのだが、女の子

の場合はやっぱり俯瞰して見守っている

気分になる。

これは少女から40代への人生物語、あ

たりまえのようにいろんなことがある。

恋人、親友だったふたりにも別れを経て

距離をとり、別の道を歩み、それでもど

こかで大切な人としてずっと思っている。

なにもできない、なんの力にもなれない、

それでも大切なものを離さない。これら

の文章はうまい、リアリティのある女性

の気持ちの吐露がうまい。

ひとはひとりでは生きていけない、おお

くのことにたすけられ生きてきたことが

わかる、ましてやあの多感な時期の。

櫻の園」がよくて「ののはな通信」も

よいって、男のわたしはほんとに読めた

のだろうか。この装幀もハードル高いぞ。