地点「櫻の園」

京都の北白川今出川アンダースローとい
うホールで、劇団地点の櫻の園を観てきた。
平田オリザ青年団から出た地点は、今の
演劇界の最先端のようで、その彼らがチェ
ーホフの櫻の園をやるというので出かけた。
アンダースローは地点の常設小屋でなかな
か雰囲気のある50人くらい入れる小さな
劇場、ひとつひとつ異なる椅子が並べられ
ている。櫻の園はおよそ知っているストー
リーでそれを6人で演じる、窓枠を使った
シンプルな演出、それはよい。メインはセ
リフの独特な言い回し、そこにこの劇団の
主宰三浦基の意図があるのだろう、言葉を
解体し再構築しているとでもいうのだろう、
それを評価する人達もいるのだろう、いや
もう十分に評価されているのかもしれない。
別にそれをどうのこうの云うつもりはない、
でも私には普通のセリフ回しでも十分に先
進的で、より深い理解を得られただろうと
思う、これが私の限界。
現代アートも現代音楽もそして現代演劇も
新しい地平を拓き、いいものは残っていく
のだとはわかっているのだが。