先に、井上ひさし「十二人の手紙」を再読
し、こういう書簡小説ならやっぱりこれと
思ったが、宮本輝は30冊くらい持っていた
文庫本をすべて処分してきたので手元にな
くブックオフで買ってきて読んだ、再読。
本当にやりとりしたような手紙ではない、
こんなふうに書き記すことはありえない、
やはり書簡小説、書簡体文学なのだろう。
男は浮気をするものなんだという考えは男
女の違いはなくなり古くなっているが、人
がちょっとした機や運により人生が変わっ
てしまうということは不変である。そこで
せつないという心の綾がうまれる、それを
噛みしめる物語であった。一気に読んだ。