で観た。その時はピンとこなかった。弟
は甘えているとしか思えなかった、繊細
な感情の揺れなんてわからなかった。
あれから50年、母親の愛情を受けず、父
親は兄贔屓に見えて愛情を感じられず、
そうした子供が自分に肯定感を持てない
ことがあること、母親は母親の苦悩があ
ること、父親は父親の正義感(金に清潔、
戦争に懐疑)、倫理観があること、誰が
間違っているわけでないことが今ならわ
かる。
悔いもあったろう、詳しいことは知らな
いが、それでも名作を撮ってきた、「エ
デンの東」もそのひとつである。
最後に父と和解する、ささやかな暖かい
結末であるが、そうではないだろう、兄
とも和解できる時が来るだろうか、と思
ってしまう。