村上春樹「猫を棄てる」

村上春樹の父と父の戦争について語られた

作品。基本は父との和解、あるいは息子の

帰還(放蕩息子の帰還か)である。ここへ

きて父のことを知りたいと思い調べ、その

歴史を継承していく作業をとおして父と和

解する、子供のいない村上春樹はこういう

かたちで継承したのだろう。

わたしも父が亡くなり、その後わたしは父

が亡くなった年齢になりその年は父を乗り

越える一年だと強く意識した。そして父の

ことを少し考え、ようやく供養できたかな

と思うに至った。そういうときはいつ来る

かわからない、母のことはまだその時期が

来ない、楽しみである。