トム・ハンクス「幸せへのまわり道」

2019年アメリカ映画、フレッド・ロ

ジャースという有名なテレビ司会者をモ

デルにした作品。

父子の和解、寛大に受容する物語、この

司会者はほんとにいい人だったかもしれ

ない、ほんとに美談だったかもしれない。

たまたま横道世之介を読んでいてこれも

いい人なんだけど彼には権力もなにも力

を持っていない、でも周りにいい影響を

及ぼす。しかしこの司会者は(努力の結

果かもしれないが)大きな名声と権力を

持っているのだから、なにかこそばゆい。

この人というよりこの映画が善意に満ち

ていてなんだか居心地がよくない映画だ

った。

父を許すのは、父が息子と和解したいと

持ち掛けているのだ、息子と仲違いした

ままの父だったら許せるのか、寛容にな

れるのか、ちょっといい話すぎないか。

ラストで、善人の司会者トム・ハンクス

がピアノを叩きつける、大きな怒りを抑

え込むときそれをすると自ら話していた

行為を。表向き善人であることを使命と

した男の真実を示したかったのか、最後

にひっくり返す映画だったのか、わから

ない。