堤真一「地下鉄(メトロ)に乗って」

浅田次郎原作の泣かせる映画を見るつも

りはなかった。だいたいこういう泣かせ

るものでは泣けないへそ曲がり男である、

やっぱり泣けなかった。

愛人は何故死ぬ必要があるのか、母親が

一緒に死ぬかもしれないのに。男は死ん

だ愛人への罪悪感、良心の呵責はないの

か。妻も愛人も守れなかった男に父親を

こ愛しなおすことができるのか、妻への

感情はないのか、息子とは約束のグロー

ブでキャッチボールするラストシーンを

見て、父親、男、息子と続く男性社会が

見えてしまう。

どうして感動できるのか、どうして切な

いのか、わからん。