ミーハーなつもりはないのだが、カズオ・
イシグロの受賞第一作が出たので読んだ。
AI搭載の人型ロボットとある家族との交流
の話なのだがいくつもの流れがありじっく
り読ませる。人間の心を慮るロボットは好
感を持たれ、かつ敵意を抱かれる、家族の
中で人と同じように扱ってもらえず、(近
未来の人間も選別されている)、あくまで
献身することだけである。
意志を持つロボットはもちろん感情を持つ、
街角で老人男女が久々の再会し抱き合うの
を観察する場面があるのだが、その想いが
わかるいい場面がある。
日本人はペットを家族のように扱う、ルン
バですら〇〇ちゃんと呼んでいる人がいる、
では、AIロボットをごみとして捨てられる
か。人のこころ、感情とは何か、他者への
かかわりについて深く問いかける。
太陽の光が希望を与え、心の奥深くに触れ
るような物語だった。