辻原登「Yの木」

3つの短編とひとつの中編からなる作品集。

「たそがれ」苦い姉弟愛。

「首飾り」ヴェネチアで宝石を買う話(こ

れは粋にまとめて面白かった)。

「シンビン」人生のシンビン。

「Yの木」辻原登が成りえなかった売れな

い小説家の話、いろんな作家が実名で出て

くる、村上春樹のやれやれも出てくる。

どれも説明になっていないが、人生の一時

の一瞬の危険と幸福を描く。じわっと沁み

る作品集だった。

Yの木 (文春e-book)

Yの木 (文春e-book)