でいた、まあすこしはかじったと思ってい
た。河出から日本文学全集(池澤夏樹個人
編集)が出て最初が池澤訳の古事記という
ので(記念特価だったし)買ったのだが積
読していただけ。それから数年コロナでひ
っかえとっかえ読書をしているが、ついに
この本に手が届いた。
池澤が云うとおり混沌としている、神話の
神と人間が混ぜこぜにでてくる、歌謡がい
っぱいでてくる、恋と性と権力争いと謀殺
がそのまま書かれている、まさにごちゃま
ぜの話である。
知らなかった。神代からの天皇支配に至る
口述歴史と思っていたのだがまるで異なる
印象。なんというおおらかな世界、殺人も
含めて人間味たっぷりの世界、千数百年前
の天皇一族周辺およびその基になる神々が
ほんとに在りえたことと思わせる。わから
ないところばっかりだけど、長々とした系
譜のところは流したけど、住んでいた大阪
や堺(百舌鳥はここでは毛受と書かれてい
るんだ)も舞台になっており、予想外に面
白うございました。