池澤夏樹訳「古事記」

古事記赤塚不二夫のまんが古事記で読ん

でいた、まあすこしはかじったと思ってい

た。河出から日本文学全集(池澤夏樹個人

編集)が出て最初が池澤訳の古事記という

ので(記念特価だったし)買ったのだが積

読していただけ。それから数年コロナでひ

っかえとっかえ読書をしているが、ついに

この本に手が届いた。

池澤が云うとおり混沌としている、神話の

神と人間が混ぜこぜにでてくる、歌謡がい

っぱいでてくる、恋と性と権力争いと謀殺

がそのまま書かれている、まさにごちゃま

ぜの話である。

知らなかった。神代からの天皇支配に至る

口述歴史と思っていたのだがまるで異なる

印象。なんというおおらかな世界、殺人も

含めて人間味たっぷりの世界、千数百年前

天皇一族周辺およびその基になる神々が

ほんとに在りえたことと思わせる。わから

ないところばっかりだけど、長々とした系

譜のところは流したけど、住んでいた大阪

や堺(百舌鳥はここでは毛受と書かれてい

るんだ)も舞台になっており、予想外に面

白うございました。

古事記 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集01)

古事記 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集01)

  • 発売日: 2014/11/14
  • メディア: 単行本