きに勉強した成果により、雄略天皇の物語
を書いたということらしい。雄略天皇はワ
カタケルといわれ、埼玉県の稲荷山古墳か
ら出土した鉄剣の銘文に獲加多支鹵大王
(ワカタケル大王)とあることから大和王
権が遠方の関東をも治めていた実在の統治
者だったことがわかってきた。名君とも暴
君ともいわれ、それらを池澤は大きな物語
にした。後半には女性の役割(ヒミコの例
もあり)を対等に求めそれが平和な統治に
つながるとのメッセージを込めている。
記紀にあるような時代の小説なのでどうか
と思ったが予想外に面白かった。