橋本治「草薙の剣」

草薙の剣
誰でもその時代に左右されて生きる、例え
ば1940年前後の若者は戦争に行き、また
数十年前までは地域格差も大きくそこでも
苦労があった。
この本は、世代の異なる6人の男と家族の人
生を昭和から平成まで描き日本人の軌跡を
辿る、個々の人生が時代と環境に巻き込ま
れていくのを淡々と描いていく。
個人ではどうしようもないことがある、全
体を見渡す、俯瞰して見るといっても、や
はりそうはいかない。私たちは与えられた
ものの中で生きていくのだ。わかってはい
るのだがせつないものだ。
わたしの草薙の剣は役に立ったか。
ところで平野甲賀の装丁はかっこよすぎる。