藤田嗣治

2006/06/12に藤田嗣治展でアッツ島の玉
砕という戦争画を見て、どうしてこれが戦
意高揚の絵なのかわからないと書いた。
実は反戦画を描こうとしたのではないかと
も思わせた。しかし当時の国民の心情とし
ては玉砕はお国のために戦ったので立派だ
ということらしい。玉砕になってしまった
のは失敗でなくてよくやったということら
しい。それはなにかで読んだ別の話で大い
に合点がいった。学童疎開をしていて東京
の家が空襲で焼けてしまったとの報告を受
けお国のために役に立ったと喜ぶこどもと
焼けなかったこどもは悔しがったという話
だ。そういうふうにみんなが思い込んだ時
代だった。
藤田を責めることなどまるでない、そうい
う気分の世間であり、人は弱いものである
からだ。