子供のためのシェイクスピア公演「ジュリアス・シーザー」

ジュリアス・シーザー (岩波文庫)
今年も大阪に夏恒例の子供のためのシェイ
クスピア公演に行ってきた。会場は新しく
なった梅田阪急百貨店の9階「阪急うめだ
ホール」、400席ほどの小さなホールで、
チケットは最前列センター席、なんだかふ
んぞりかえって見ているようで、舞台の縁
のすわっての演技もありまさに目の前。
このシリーズもすでに19年目、10数回
は見ていると思われ、役者もおなじみ、で
も今回は佐藤誓くんもいないし若手やはじ
めてが多くて。
芝居はローマ史劇であり、いつものシェイ
クスピアのような構成がなくストレートな
物語。シーザーをブルータスが暗殺し、ア
ントニーが取り戻すという話なのだが、ア
ントニーの演説で民衆の気分をひっくり返
すところが、現代の政治と同じ、政治家も
政治家だが民衆の方が困ったものだな。
ブルータスおまえもかというセリフは、お
まえもかブルータスだった。
いつもの軽快なクラップはなく、重い足取
り、最後には崩れ積み重ねられる、こんな
シーンはいままでなかった。演出山崎清
の意図があるか。