島田章三画伯と島田鮎子画伯の結婚50年の記念展を観に行く。
当日(12月8日)島田章三ご本人が記念講演するというので、申し込んで
久しぶりに元気なご様子を見ることとなった。会場は60名定員の小さなホ
ールで、関係者と云うか、画廊主、画家仲間、美術評論家、コレクターとい
った仲間内の講演会という雰囲気で、いささか場違いな聴講となった。たぶ
んその後お祝いの会があるようで、だからお仲間が東京からも駆けつけてき
たのだろう。島田章三さんはかわらず元気で、いつものように話も上手だし
人を惹きつけるパワーも健在。うしろで鮎子夫人も聴かれていたが最後には
お二人並んでということになった。
夫婦で画家であり、ともに大家、巨匠であることは希有なことだと思うが、
鮎子夫人の内助とともに章三氏の包容力の賜物なのだなと改めて思った。
島田章三は「生活者」として芸術家であることを実践し、それが絵の中に表
現されていると感じているが、それはやはり鮎子夫人との生活をする「生活
者」なのだろう。生活者をイメージする芸術家には、画家の香月泰男、写真
家の植田正治、詩人の谷川俊太郎などを思い浮かべるが、島田章三はまさに
生活者であった。
一般市民愛好家としても、気持ちのよい講演会と展覧会であった。そうそう、
「花に水」という最新作には魅かれた、どんなときでも花には水を。