S・スピルバーグ「ミュンヘン」

ミュンヘンオリンピックでのパレスチナ

激派のイスラエル選手団へのテロのことは

知っていた、高校3年だった。そのことの

映画だと思っていたら、その後のイスラエ

ルがパレスチナの過激派首謀者に報復する

という実在の話をモデルにした映画だった。

しかし、主人公は任務として報復テロをし

ていくうちに神経が侵されていく。強い愛

国心というわけでもなくただ任務として実

行していく。そこにはいろんな国や組織が

絡んでおり、成功もし失敗もし味方もやら

れ、国に残した家族への再報復の不安もあ

り精神が病んでいく。

報復の連鎖の不毛という話なのか、いやそ

れだけではない複雑な問いかけがあるよう

に思える。いまはまだよくわからないと書

いておく。うーん、困った映画だ。

 

ジェームズ・キャグニー「追われる男」

ジェームズ・キャグニーというから、名前

も知らない西部劇だけど見た。アーネスト・

ボーグナインも出るというので見ていたら

まだ、ちょい役だった。

テンポいいというか、わかりやすいという

か、はらはらどきどき後に残らない面白い

映画だった。キャグニーは小柄で美男子で

もなくても主役を張れることがよくわかる、

いい男だった。

ktoshi.hatenablog.com

 

 

トム・クルーズ「ラストサムライ」

2003年アメリカ映画。ずいぶん話題になっ

ていたが、もう20年近く経っているのか、

はじめて見た。渡辺謙のハリウッド出世作

大村役は原田眞人監督だった、池松壮亮

映画デビュー作(それがハリウッド)。

アメリカ人から見た日本人の武士像、いわ

ゆる武士道を描いている。薩摩を思わせる

里山の生活の様子は美しく、郷中教育とい

うのか武士の鍛錬は厳しく、維新後の開化

の流れの中で、それらを守ろうとすること

の正否はわからない。また交渉もなく政治

もなくただ負け戦をすることがイコール武

士道ではないだろう。そこはハリウッドの

カン違い。おかしなところは多いけれど、

よく描けているところもある。日本の俳優

達の立ち姿がかっこよかったのは確か、斬

られ役の故福本清三もよかったぞ。

 

 

ティム・バートン「バットマン」

1989年作品、いろんなバットマン映画があ

るんだ、テレビのバットマンしか知らなか

ったので、当時ジャック・ニコルソンが悪

役をやるという予告も興味がなかった。

それで大ヒットして続々作られたようだ。

さて、ティム・バートンだからその色合い

が強い、さらにジャック・ニコルソンがの

りのりの演技で、それを見ているだけとい

う映画だった。

バットマン役のマイケル・キートンは「バ

ードマン あるいは(無知がもたらす予期せ

ぬ奇跡)」のあの男だった。

 

グレゴリー・ペック「子鹿物語」

グレゴリー・ペックは何本目だろう。「ア

ラバマ物語」といい、この「子鹿物語」と

いいミスターアメリカを体現している俳優

である。

題名から子供向きのディズニーみたいな映

画だと思っていたら、もちろん子供と見る

映画なのだが、大人が一人で見ても見事な

映画である。

キリスト教が家族の中心にあり、一方でフ

ロンティアスピリットがあり、厳しい父親

と成長する少年の物語。そこへ子供を3人

も亡くして精神的に不安定な母親がいて、

物語を重層にして、感動的な物語になって

いる。最後にやっと母親が子供を抱きしめ

る、ラストにまた子供が大きなストライド

で駆け巡る場面あり、いいシーンだった。

 

 

 

名古屋市博物館「蕪村と大雅展」

名古屋市博物館は30年振りくらいか、まっ

たく機会がなくて外観も日本庭園も忘れて

いた。それで江戸中期の文人画の大家であ

与謝蕪村池大雅の展覧会を見に行った。

蕪村はいろいろ見たことがあるが、池大雅

を比べてという切り口ははじめて、「十便

十宜図」という共作の作品集があることも

はじめて知った。「ベリー公のいとも豪華

なる時祷書」をなんとなく思い出した。

それから蕪村の書が力が抜けていて楽しそ

うだった(ぐらいしか感想がない)。